9 / 89
1話-9
「間宮さん、やらしい俺は嫌い?」
自分の指を咥えて、穴を慣らす準備に取り掛かる。
「いや、寝起きからいやらしい叶くんを見るのも、また趣きがあっていいね」
「……よくわからないです」
趣きとか言われても、そんなものあるのか?という話だ。
そんな他愛もない会話中にも動きの止まらない間宮さんの指に、軽く濡らした自分の指を添えた。
潤いも時間も優しさも足りないけど、奥がじりじりと、欲してたまらなかった。
「ん、ん……」
さすがにきつくて、体を起こす。
俺は目を瞑って息を吐きながら指を動かした。
ずりずりと、無理やりに拡げていく感覚。
「ずいぶん、無理をするんだね」
眺めているだけの間宮さんが言った。
「でも、もう止められないです……っ、」
痺れるような感覚に、頭がくらくらする。
「は、……あ、間宮さ、ん」
俺の吐いた声は上擦って甘い。
「叶くん……きみ、」
間宮さんも起き上がり、顔が近づく。
指が一層入って、身体がひくりと反応した。
間宮さんとの、視線が絡む。
キスがしたいなあ。
「やっぱり、熱があるね」
ともだちにシェアしよう!