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2話-4
ピン、ポーン。
今度は少し長めに押してみるも、反応はない。
よし、もう帰ろう、そうしよう。
「開いてます」
中から小さく、絶望へ誘う声がした。
家主、いたのか……。
俺はため息を吐いて諦め、引き戸に手をかける。
開いてますってことは、開けて入れと言うことだろう。
「……おじゃまします」
カラカラカラ。
軽い音を立てて、引き戸を開ける。
不安で、俺の心拍数は最高まで上がっていた。
扉の先に立っていたのは、俺よりも年上だが若い印象の男の人だった。
家主は気だるそうに腕を抱えて、壁に寄りかかっている。
「どちら様?」
大して興味もなさそうに言われ、虚をつかれる。
絶対に頭ごなしに叱られると思っていたのに。
でも、ここに来た以上、俺は野球のボールの事を言わなければならない。
「さ、さっきボール……打ったの俺なんです!本当にすみません、ガラスはなんとか弁償します……すみませんでした!!」
言い切ったところで、ばっと頭を下げた。
弁償は親に頼むしかない。
許してくれ……!
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