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2話-6
俺は男の横に立ち、扉の開いたその部屋の中を見た。
「僕は、小説家をしている。それなりに売れているけれど、君のような子供は読まないジャンルだ」
それは嫌味なのか、淡々と言われた。
けれど、俺は何も言い返すことはできない。
その部屋の窓は割れてた。
窓の前には大きな机があり、その上には真っ黒な水たまりが出来ていた。
その中にちらりと見える白いものは、原稿用紙だろう。
小説の書かれた。
「窓ガラスはどうでもいい。業者を呼べば済む事だ。原稿も、大した量ではないから書き直しもすぐ出来る」
ぽた……ぽた……ぽた……。
水滴の垂れる音がした。
あの机の水たまりだろうか。
でも、もっと近くで聞こえている気がする。
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