41 / 89

3話-6

「目をつぶって」  シャツの前が全て開けられ、間宮さんが言った。  なにをするんだろう?  普段から間宮さんが考えていることはよくわからないと言うのに、今は尚更だった。  俺はただ、間宮さんの言ったことに従うしかない。  目をつぶると、他の感覚が鋭くなる。  ぎしっ、間宮さんが俺のいるベッドに腰掛けたのか、軋む音がした。  間宮さんは、なにをするのだろう?  俺の心拍数は否が応にも上がっていく。  間宮さんの指がいつ俺のどこに触れるのか、想像して、期待して、興奮している。  ばさっ。 「んぶっ?!」  ごしごしごしごし。  唐突に顔に布を押し当てられ、俺は心臓が止まるほどびっくりしていた。  だって、まるで予想外だ。 「……叶くんのそんな顔見たの、久しぶりかな」  タオルを除けて、驚き惚けて言葉をなくす俺の顔を見た間宮さんが言った。  心なしか、間宮さんは少し嬉しそうにしている。  確かに、いつもは驚きはしても、仕事に追われてそれどころではないから、すぐ切り換えていた。  今はそこまで、頭も働かない。 「だ、だって……」  ばしゃばしゃ。  タオルを洗面器に浸し、絞る間宮さん。  間宮さんの手が冷たかったのは、きっとあの洗面器の水のせいだ。 「甲斐甲斐しく世話をして上げると言っただろう」  間宮さんの、くらっとくるような不敵な笑み。  この企み顏が怖くて、魅力的だからしようがない。 「今日は僕が隅々まで、叶くんのことをきれいにしてあげるよ」  どうしよう、ピンクな妄想しかできない。

ともだちにシェアしよう!