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3話-6
「目をつぶって」
シャツの前が全て開けられ、間宮さんが言った。
なにをするんだろう?
普段から間宮さんが考えていることはよくわからないと言うのに、今は尚更だった。
俺はただ、間宮さんの言ったことに従うしかない。
目をつぶると、他の感覚が鋭くなる。
ぎしっ、間宮さんが俺のいるベッドに腰掛けたのか、軋む音がした。
間宮さんは、なにをするのだろう?
俺の心拍数は否が応にも上がっていく。
間宮さんの指がいつ俺のどこに触れるのか、想像して、期待して、興奮している。
ばさっ。
「んぶっ?!」
ごしごしごしごし。
唐突に顔に布を押し当てられ、俺は心臓が止まるほどびっくりしていた。
だって、まるで予想外だ。
「……叶くんのそんな顔見たの、久しぶりかな」
タオルを除けて、驚き惚けて言葉をなくす俺の顔を見た間宮さんが言った。
心なしか、間宮さんは少し嬉しそうにしている。
確かに、いつもは驚きはしても、仕事に追われてそれどころではないから、すぐ切り換えていた。
今はそこまで、頭も働かない。
「だ、だって……」
ばしゃばしゃ。
タオルを洗面器に浸し、絞る間宮さん。
間宮さんの手が冷たかったのは、きっとあの洗面器の水のせいだ。
「甲斐甲斐しく世話をして上げると言っただろう」
間宮さんの、くらっとくるような不敵な笑み。
この企み顏が怖くて、魅力的だからしようがない。
「今日は僕が隅々まで、叶くんのことをきれいにしてあげるよ」
どうしよう、ピンクな妄想しかできない。
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