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3話-8
汗をどうにかするだけで、幾分か体がすっきりする。
脇なんて特に汗のたまる箇所で、人にされるのは恥ずかしいものだがそれを抜きにして気持ちよかった。
間宮さんは至極丁寧に俺の体を拭いてくれる。
冗談かと思ったが、間宮さんは本当に甲斐甲斐しい世話をしてくれていた。
反対側の腕も拭われ、水に浸しなおしたタオルが胸に当てられる。
ひんやりとして気持ちいい、などと目をつぶっていると、急な刺激に体が反応した。
「まっ、間宮さん?」
胸元に寄せられた間宮さんの頭。
胸についた小さな突起を、間宮さんが舐める。
「熱がまだあるのかな、叶くん、敏感だね」
「なに言ってるんですか、もう、甲斐甲斐しい世話はどこいったんですか」
おざなりにされたタオルを掴み、間宮さんに抗議してみるが、間宮さんの舌が突起の先を掠めるようにした。
もどかしい刺激に、息が上がる。
「君の敏感な場所は、特に丁寧に、舐めてきれいにしてあげる」
なんだ、結局、間宮さんの変態スイッチは全開だったわけで。
「間宮さん、俺、病み上がり」
俺が間宮さんの肩に手を置いて押しのけようとしながら言うと、俺を見ながら間宮さんは舌なめずりをする。
ああ、俺はこの人に、食われてしまう。
「そうだな、君が疲れないよう、イかない程度にしてあげる」
なんて、なんて蛇の生殺し宣言。
熱が上がってしまっているのは、風邪がぶり返してしまったからだと思いたい。
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