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3話-9
間宮さんが乳首に吸い付く様子は新鮮だった。
まるで赤子のように無心でくらいついて、なぜか愛おしささえ感じる。
だけども間宮さんの舌技は、可愛いものではなかった。
「あっ、……はあ、ん、……ま、みや……さ……」
性感がひたすらいじめられているのに、俺は乳首だけでイけるような変態ではないから物足りなかった。
乳首がいじられすぎて、じんじんする。
それがじんわりと股間にまで響くよう。
最後にちゅっと吸い上げられると、背筋がぞくっとした。
ここまで執拗に乳首を責められたのは初めてだった。
変な性癖に目覚めそうで怖い。
間宮さんが。
「下を脱いで」
飽きたのか、満足したのか、間宮さんの興味が次へ移る。
「間宮さん、もう俺疲れました……病み上がり……」
たびたび、俺が平常並みの体力も気力もないことをアピールしてみるが、それが間宮さんに届かない事はわかっていた。
それでも一縷の望みをかけて、口にしてみるのは人間のしがない性と言うものだ。
「じゃあ、僕が脱がしてあげる」
ほら、間宮さんは幾分か楽しそうにそう言って、布団を引っぺがすんだから。
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