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3話-10
間宮さんの手によって脱がされたズボンもパンツも、床の上に無惨に転がっているのだろう。
俺はベッドヘッドに寄りかかり、膝を立てて股を開いた。
「君は恥ずかしげもなく晒すね」
タオルを濡らし直し、俺の前に座る間宮さん。
まじまじと陰部を見つめながら言われる。
「羞恥心のない俺は……っ、ダメですか」
水で冷えた間宮さんの指が内股をなぞり、一瞬言葉に詰まる。
「いや、そのだらしなく性器をさらけ出す姿は、なかなかそそるものだよ」
間宮さんの手に導かれ、股間を突き出しほとんど寝そべる形になる。
完全に屈伏した犬のような姿を舐め回すように見られるのが悪くないと思っている。
俺はもう、ずっと、間宮さんの犬だ。
「叶くん、眠かったら寝てていいから」
「はい」
言われて目をつぶるも、すぐに目を開くことになる。
「ちょ、間宮さん」
間宮さんは俺の股間に顔を近付け、すん、と鼻を鳴らして臭いを嗅いだ。
「だ、だめだめ、舐めるのはさすがにだめです、間宮さん」
舌をそっと出して垂れ下がった陰嚢の裏に這わせようとするから、俺は慌てて頭を押し退ける。
その手を掴まれて目を見つめられれば、俺ははっとして黙った。
「叶くん、動いてはいけないよ」
俺の手は俺の内股に置かれ、まるでそこを押さえていろと言われているようだった。
静かになった俺の目を見ながら、間宮さんは見せつけるように舌を出し、陰嚢に熱い舌を押し付ける。
「ん……」
たったそれだけの刺激に身体は大げさに反応した。
間宮さんは大きく口を開き、顔を斜めにして食べやすい角度で、陰嚢をすっぽり口に含んでしまう。
「あ……あ、」
ただそれだけだ。
口の中で舌が這うことも、歯を立てることも、吸いつこうともしない。
それなのに、俺の身体の一部が間宮さんの体内に収まってしまったその感覚だけで、身体の奥から何かが湧き上がってくるようだった。
「は、ん……」
俺の身体だけが興奮して、性器は熱を増して行く。
ちゅ、ちゅじゅじゅじゅじゅ。
「っああああ」
期待していなかった強烈な吸い上げに、身体は仰け反りのたうち跳ねた。
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