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3話-11
時間をかけて性感帯を嬲られ、それでも性器に直接触れられることはない。
果てを望んでいるのに終わらない快感に、性器は汁をこぼし、俺の息は上がったままなかなか整わなかった。
「はあ、はあ、はあ、はあ……あ、あ」
荒い呼吸に合わせて上下する腹筋に興味を示した間宮さんの細い指が触れる。
そんな刺激さえ、今の俺には官能的だった。
「辛そうだね、叶くん」
呑気に言う間宮さんを、俺は恨みがましい目で見るしかできない。
間宮さんは何事もなかったかのように、力の抜けた脚を丁寧に拭いてくれる。
まだ敏感になって火照った熱を、濡れたタオルが冷ましてくれた。
「水がぬるくなってしまったね?今、変えてくるから」
脚をだいたい拭き終わった頃に間宮さんがそう言った。
あと拭くところなんてあるだろうか?
俺がぼんやり見つめていれば、間宮さんは目を細めた。
「今の叶くんを見ていると、いたいけな頃を思い出すね」
その言葉に深い意味はないのだろうけれど、俺はなんだか寂しくなる。
今の俺にいたいけさはなかった。
良くも悪くも大人になってしまった、そんな俺ではダメですか。
「叶くん」
肩を叩かれ、声をかけられ、ようやく自分が寝ていたことを知る。
「疲れた?」
「間宮さん、疲れたって俺、ずっと言ってます」
「そうだったね」
じゃあ今日はもうやめようか、手に持っていたタオルを洗面器に戻し、剥き出しになった下半身に軽い掛け布団をかけてくれる。
「トイレ行くのも辛いだろうと思って、せっかく尿道カテーテル用意したからやってみたかったんだけどね」
「間宮さん、それは俺が元気な時でもお断りです」
「そう?」
それは残念、とさして残念でもなさそうに言う。
この人きっと、近いうちに尿道カテーテルを使ってくるだろう。
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