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4話-5

 直接口にはしないものの、村木さんが言わんとすることはすぐ理解出来た。  つまりは、俺の居場所はここにはないと。  俺は俺の居場所に帰れと、そういうことなのだ。  そしてそれに反論するだけの理由を俺は持っていなかった。 「間宮先生にタオル借りてくるから、下も脱いでおきなよ」 「はい、すみませんお願いします」  村木さんを見送り、俺は穿いているびしょ濡れのジーパンに手をかける。  肌に張り付くそれは脱ぎ辛く、引きずり下ろすとパンツまで一緒に脱げてしまった。 「叶くん、平気だったかい」 「あ、え?あ、はい」  声をかけられ顔を上げると、浴室の入り口に間宮さんが立っていた。  うわ、やだな俺下半身丸出し。  足元に丸まったジーパンからパンツだけ外して穿き直したいのに、焦って上手くできない。 「う、あっ」 「叶くん」  ずでんっ。  バランスを崩して尻から落ちる。  その痛みに加え、上から圧がかかり少し苦しい。  なんだろう、と思い閉じた目を開くと、眼前に間宮さん。 「大丈夫ですか?……って間宮さん、あなたなんてことを」  音に慌てて駆けつけた松本さんが顔を真っ青にした。  俺たちはまるで、間宮さんが押し倒したように折り重なっていた。 「こ、これは俺が倒れそうになったのを間宮さんが助けてくれようとしたんですけど……間宮さん大丈夫ですか」  慌てて弁明しながら間宮さんを見ると、間宮さんの顔色も悪い。 「腕を……」 「……っ」  俺を庇おうとした時に、傷の治り切っていない左腕を床に打ち付けたらしい。 「間宮さん大丈夫ですか」

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