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5話-3
「間宮さん……」
諦めきれない俺は間宮さんを切望した。
「じゃあ、ここでして」
「え?」
ここでなにを?
理解できない俺に、間宮さんは企みを含む笑みを浮かべた。
「君が僕を欲しがりながら君自身を慰めるところを見てみたい。ここでして」
「そんな……」
こんなに欲しがっているというのに、酷い言い草だと思った。
すると間宮さんは言葉を続ける。
「じゃあ僕の左手を貸してあげよう」
間宮さんはそう言って左手で俺の頬を撫でた。
つまりどういうことかわからない俺に、間宮さんが懇切丁寧な説明をくれる。
「叶くん、ここに座って。僕が君の自慰行為を手伝ってあげる」
それはもはや命令だった。
間宮さんの親指が唇を撫でる。
俺の身体に火がつく。
口に差し込まれた指を舐めると、間宮さんは妖しく微笑む。
ああ、もっと、間宮さんが欲しい。
間宮さんの指をしゃぶりながら身体を起こした。
スウェットに手をかけると口から指が抜かれ、俺の手を掴まれる。
「言ったろう、叶くん。僕が手伝ってあげると。君は手を使ってはいけないよ」
それは愉しいプレイの始まり。
「どうして欲しいか、一つ一つ口に出して言うんだ。叶くんはどうしたい?そのまま触ってあげようか?」
「……スウェットとパンツ、脱がして欲しい」
間宮さんにおねだりするなんて、それを聞いてもらえるなんて、それだけで興奮する。
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