68 / 89

5話-3

「間宮さん……」  諦めきれない俺は間宮さんを切望した。 「じゃあ、ここでして」 「え?」  ここでなにを?  理解できない俺に、間宮さんは企みを含む笑みを浮かべた。 「君が僕を欲しがりながら君自身を慰めるところを見てみたい。ここでして」 「そんな……」  こんなに欲しがっているというのに、酷い言い草だと思った。  すると間宮さんは言葉を続ける。 「じゃあ僕の左手を貸してあげよう」  間宮さんはそう言って左手で俺の頬を撫でた。  つまりどういうことかわからない俺に、間宮さんが懇切丁寧な説明をくれる。 「叶くん、ここに座って。僕が君の自慰行為を手伝ってあげる」  それはもはや命令だった。  間宮さんの親指が唇を撫でる。  俺の身体に火がつく。  口に差し込まれた指を舐めると、間宮さんは妖しく微笑む。  ああ、もっと、間宮さんが欲しい。  間宮さんの指をしゃぶりながら身体を起こした。  スウェットに手をかけると口から指が抜かれ、俺の手を掴まれる。 「言ったろう、叶くん。僕が手伝ってあげると。君は手を使ってはいけないよ」  それは愉しいプレイの始まり。 「どうして欲しいか、一つ一つ口に出して言うんだ。叶くんはどうしたい?そのまま触ってあげようか?」 「……スウェットとパンツ、脱がして欲しい」  間宮さんにおねだりするなんて、それを聞いてもらえるなんて、それだけで興奮する。

ともだちにシェアしよう!