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6話-2

 ぼーっとしていたら、結局軽くのぼせてしまった。  着替えも持ってくるのを忘れている。  まあいいか、と頭をタオルでがしがし拭きながら裸でリビングへ。 「間宮さん、そっちに俺の……」  ハッ、と顔を上げた。  来客が一人、間宮さんと向かい合って座っていた。 「あ、いやあ……」  頭を拭いていたタオルを腰にそっと降ろし、キュッと締める。 「叶くん、上、上」 「あ、はい……って、いやいや」  間宮さんが身振り手振りで言うがまま、俺は胸をそっとそれぞれ手で隠した。  隠してから、俺は男なんだし関係ないだろ、とノリツッコミの勢いで間宮さんを見返す。  ハラリ、タオルは無情にも落ちた。 「ああっ!もう、ああ!服着てきます」 「私は気にしてないよ」  リビングを出る間際、来客者がそう声をかけてくれた。  いや、あんたが気にしなくても俺は気にするんだ、と憤りを覚えた。  ビシッと決まった黒のスーツに、白髪すらファッションのようなオールバックの髪。  冴木(サエキ)さん、その人は間宮さんが契約している出版社の編集長であり、間宮さんをこの世界に引きずり込んだ人だった。

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