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6話-9

「叶くん」  乳首をいじるのに必死になっていた俺の、頬に間宮さんが手を触れる。  瞳の奥に欲情の炎が揺れる。  間宮さんの目がギラつきながら俺を見ている。 「見られたのはそこだけかい」 「ん……」 「見られたいのはそこだけかい」  ほんの小さなニュアンスの違いだった。  でも、ああ、そうだ。  もはや俺がただ、間宮さんに見られたいだけだった。  キスと胸への刺激で高まった股間が布を押し上げ主張する。  見て欲しい、俺の身体を余すとこなく。  他でもない間宮さんに。 「んん……」  俺は右手を胸から股間へ動かす。  ズボンのボタンを外し、ジッパーをゆっくり下ろした。  間宮さんの視線が俺の手を追っているようで、それが嬉しかった。  見せつけるように指で布の上からなぞる。  昂ぶって硬くなったそこを、二本の指で挟むようにして上下になぞると、気持ちよくて身体がびくびく跳ねる。  そんな俺を楽しそうに間宮さんが見つめるから、いやらしい姿を存分に曝け出せた。  ああ、触って欲しい。  間宮さんの視線が動く通りに指を動かす。  まるで間宮さんに触られていると錯覚した。

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