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【色付きリップの疑惑 2】※微R18

夕食時… 「お待たせしました。唐揚げと…えっと、この美味しい煮物の名前…何だっけ?」 「筑前煮」 「…筑前煮です。」 「ビールもくれる?」 「はいっ!すぐお持ちしますねっ!」 紅葉は前にモデルで使って買い取ったウェイトレスの衣装を身に纏い、騒動の発端となった色付きリップを塗り、お盆を片手に冷蔵庫へと向かった。 浮気を疑ったお仕置きとしてお家ご飯(しかも作ったのは凪)でレストランごっこ中だ。 最初は恥ずかしいと嫌がっていたのに意外と乗り気な紅葉に苦笑する凪。 「客(凪)に料理の名前聞いてちゃダメなんだけどね…」 そう呟きながらも恋人の綺麗で細く長い脚を眺めた。 「美味しいーっ!! なんてジューシーな唐揚げ…っ!! 何個でも食べられるよー!!」 「そりゃあ良かったね。 俺の一個あげようか?」 「えっ? でも悪いからいーよ… 凪くん今、お客さん(役)でしょ?」 「いーよ。 その代わり…俺はこっちをいただこうかなー?」 普段はダイニングテーブルに向かい合って座り食事をとっているが、今日は凪の希望で横並びで座っている。 凪は紅葉の皿に唐揚げを一つ乗せると箸を置き、恋人が着ているウェイトレスの制服…コスプレ仕様の短いスカートに右手を伸ばした。 「っ!! あ、ダメ…っ。 今ご飯…食べてるよ…!」 「でもこれお仕置きだし。 ちょっと触るくらいいいよね、可愛い店員さん。」 そもそもレストランのウェイトレスは客と一緒に食事をしないが、そこはごっこなので、ある程度紅葉の食事にメドがついたのを見て凪は遊び始めたのだった。 「や…っ。んん…っ。 あ、お客様…困ります…っ!」 なんとかウェイトレスを演じようとする紅葉と吹き出す寸前の凪… タイトで短いスカートの裾から内ももに指を忍ばせれば緩やかにだが、反応し始めている紅葉のモノに触れた。 「ァ…っ!!」 「そーだ!そろそろ犬の散歩に行かないと。 ごちそうさま。お皿洗いのお仕事も頑張ってね?」 「あ、そんな…っ!」 絶妙なタッチで触れて、ギリギリ治まるか治まらないかのところで手を引き、席を立つ凪はもちろん確信犯だ。 酔い冷ましも兼ねて平九朗の散歩へ行ってしまった。 紅葉は仕方なく時間をかけて落ち着くのを待ち、片付けを始めたのだった。 あまり焦らすとまた泣かれてしまうので、凪は散歩から帰るとただいまと甘いキスをして、紅葉を抱き締めた。 「お帰りなさい…。」 ちょっとしょんぼりしている紅葉を凪はお風呂に誘って宥めることにした。 バスルーム 「凪くん、怒ってないの?」 「え? ただの勘違いだし、最初から怒ってないよ? 俺のこと信じてくれてるって言ってくれたし。」 「良かった…。」 「ってか、紅葉の誕生日だし、付き合って1年の記念日なのに浮気発覚は笑えないでしょ。」 「そーだけど…!口紅みたいに色が付くって知らなかったし。ピンクになってるの気付いてたなら教えてくれたら良かったのに…!」 「分かってて使ってるのかと…(笑) 別に変じゃねーよ?」 「ううん、今度こそフツーの買う…!」 そう決意する紅葉に笑う凪… そして寝室へ移動… 「誕生日だし、記念日だし、ごっこもお仕置きも終わりね。俺、コスプレあんまハマれないし…(苦笑)」 「え?そう?僕は可愛いお洋服けっこう好き…」 「じゃあ着てていーよ。 ってか、本当に誕生日プレゼントは秋祭りにちょっと遊びに行っただけだし、記念日のお祝いもキャンプだったけど…それでいいの?」 仕事の都合で前祝いとして2人で(キャンプは平九郎も)楽しんだがあまりにお手頃過ぎやしないかと心配する凪。 でも紅葉は幸せそうに微笑んだ。 「どーして? 僕はどっちもすごく楽しかったよ。」 「俺も楽しかったけどさ…。」 「あとは凪くんを一人占め出来たら最高に幸せだよ。」 「…可愛いね。」 「あ、キスマークつけてもいい?」 「いーよ? 明日イベントだからあんま見えないとこにしてね?」 「うんっ!」

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