せっかくまた着たウェイトレスの制服は全く意味を成さず、数分で脱がされてしまった。 「あ、ん…っ！ や、ゃぁ…っ！ァっ…」 「ん？奥、イヤなの？」 「ち、違…っ！ あ…、気持ちい…っ！」 「だよね？(笑)」 「ぁ、だめ…っ。 イク…っ！」 「え？あ…ちょっと待て…！」 「無理…っ！ん、ん…っー！」 「…っ!!(苦笑)」 先ほど焦らしたからだろうか、すぐに達した紅葉の締め付けになんとか堪えながら凪はキスを重ねながら律動を続けた。 紅葉好みに甘く甘く優しく耳元で愛を囁き、何度もキスを交わしながら身体を重ねる…。 「ん…ふ…っ」 息継ぎの合間に目を合わせて微笑み合うと本当に幸せそうに「好き」と呟く紅葉。 凪も「俺も好きだよ」と返して、繋がったまま細身の恋人を抱き起こした。 「ァッ、ヤ…あっ！」 ギュっと凪の首もとに掴まり、身体の奥に与えられる快感に身を任せる。 「んん…っ。 は…っ、ァッ…ァ、ぁ、ん…」 「中…スゴいね。 イケそ？」 「ん。い、い…っ！ あ、凪くん…っ！ イキたい…っ。」 「りょーかい…っ！」 可愛くねだられて凪はラストスパートをかける。 「ハ、ァ…っ んー、ぁ、や…っ！」 ドライで達する紅葉の中が蠢きだし、凪も熱を放つ… そのまましばらく中の痙攣は治まらず、どうやら紅葉はイキ続けているらしい。 荒い息継ぎをしながらも喘ぐ恋人に苦笑しながらも流石に余裕がなくなる凪… 「あ、あ…っ！どーしよ…っ！や、止まんな…っ！凪くん…、ぁ。 ね、と、めて…っ！ んっんっ！ァー、や、気持ちい…っ！」 「っ！ あー、もう降参…っ！」 そう呟いて凪も紅葉の中で再び達したのだった。 「立て続けにとか…ティーンじゃねーんだけど…。」 漏れなくて良かったとゴムを始末する凪… 「ん…。何？」 「んー？紅葉にイカされたなって話。」 「？そーなの？上手に出来たってこと？ 今日もすごく良かったけど、僕もう眠い…。」 「そうだろうね…(苦笑) プレゼントは明日の朝イチでいい？」 「うん…ありがと。…楽しみ。おやすみなさい…」 「おやすみ…」 凪は軽く唇を合わせると紅葉に布団をかけ直して柔らかな髪を撫でた。 翌朝… 「ふ…っ？なんだかスゴい美味しい匂い…っ！」 翌朝、いい匂いにつられて多少ふらつく足をなんとか踏ん張って階段を降りる紅葉。 「おはよー。 凪くん早起きだね！ 何の匂い？」 「はよ。 さすがだね、 ちょうど焼き上がったとこだよ。」 いつもは紅葉の方が早く起きるのだが、今朝は凪の方が早起きして、何かを作ってくれていたらしい… オーブンから取り出したばかりの物を皿に乗せてテーブルに出してくれた。 「誕生日おめでとう。 紅葉、最近りんご好きだろ？ アップルパイ作ってみた。」 「えー?！ すごいっ!! めちゃくちゃ美味しそう！」 昨夜、アレからりんごを砂糖とシナモンで煮て冷まし、今朝パイ生地に包んで焼いてくれたようだ。 「ケーキはあとで用意してくれてるみたいだし、作るの自信なかったからこれにしたよ。」 「ありがとう…っ！ すごーく嬉しいっ！」 絶対美味しい！早速食べたい！と言う紅葉に取り皿を出してやり、パイをカットする凪… 「凪くんも一緒に食べようよ！ あ、僕コーヒー淹れるよ。」 「いーから。 誕生日なんだし、俺にやらせて。 先に顔だけ洗ってくれば？」 そう言って紅葉を洗面所へ行かせて、コーヒーとカフェオレと大事なある物を用事する。 「とりあえずアップルパイ食べてから朝食のおかず作るのでいい？」 「もちろんっ！ 食べよっ！ わぁー！りんごたっぷりだね！ いただきまーすっ！」 まだ温かいアップルパイを頬張る紅葉… 凪は甘さ控えめにしたというが、りんご本来の甘味が活かされていてとても美味しい。 以前、店で買って食べたのはりんごがほんの少ししか入っていなくてその割に高額だったので残念に感じていたが、凪が作ってくれた物はりんごもたっぷりで、でもパイのサクサクもあり最高の逸品だ。 「美味しい、美味しいっ！」と笑顔でフォークを口に運ぶ紅葉 凪はタイミングを見計らって後ろからそっと、紅葉の首に何かをかけた。 「ふぅぐ？」 「…何語？(笑)」 口をモグモグさせながら紅葉はフォークを置いて、自分の胸元を覗き込んだ。 「っ!! ふぇっ?！」 「うん…飲み込んでから喋ろ？(笑)」 指先に絡め取った物に驚く紅葉にカフェオレを渡して、落ち着かせる。 「凪くん、これ…っ！」 「プレゼント。」 「キレイ…！」 「因みにお揃いにしてみた。 記念日っぽいでしょ？」 「っ!!見せてっ!!」 隣に座った凪のシャツの中に、自分とお揃いのネックレスを見つけて喜ぶ紅葉。 シンプルだが、品のあるデザインは大人っぽくて、予想外のプレゼントに感無量の様子だ。 「嬉しい…っ！ 凪くん…ありがとう…。 朝からサプライズが２つもあって…僕もう胸がいっぱいだよ。」 「喜んで貰えて良かった。 やっぱり何か形に残るのもあげたくて…。 気に入った？」 「うん！ これブランド物？高そう…！ ホントにいいの？」 「GUCCIだよ。 でもシルバーだし、そんな高くない。」 もちろん凪のお金で購入したのだが、ドイツに行くために2人で貯金をしているので、紅葉が気にならない金額で抑えたのだ。 「大人のだーっ！すごーい…っ！ え、これ…今日着けて行ってもいい？ むしろずっと着けたい…」 「いーよ？ 俺も着けてく。 今日ファンクラブイベントだしね。 誕生日だし、いいよね？」 「うん…っ！」 「夜はいつものドイツ料理レストラン予約してあるから。」 「ありがとう…！ 楽しみ！」 「誕生日おめでとう。 今日も一緒に頑張ろうな。」 「うん…っ!!」 2人はりんごとシナモンの香りに包まれながらキスを交わした。 End