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【誠一の代わりにラジオ出演 1】

とある日の夕方… 紅葉はまた隣の大家さんの家に遊びにきていた。 「おじいちゃん、これなぁに?」 「なんだ、松茸を知らんのか!」 「松茸…? あ、日本の高いキノコ? トリュフみたいな?」 「旨いぞ。食べてみるか?」 七輪で焼いてもらって贅沢にも齧りついて食べる紅葉… 「どうだ?」 「いい匂いの、キノコ! あ、しいたけも焼いていい? 美味しいよね。」 「紅葉にはまだ早かったか…(苦笑) まぁ、良い。ぶどうをやろう。 こっちは土産だ。 あの大男にも食わせなさい。」 先日、脚立を使わずに自宅の蛍光灯の交換を手伝った凪を大男と呼ぶ池波。 「わぁー!ぶどうっ! ありがとー!」 池波にもらった高級食材に固まる凪… 料理人としての血が騒ぐらしい。 「土瓶蒸しにするか…? いや、ここは軽く炙るだけに…!」 「…?凪くん忙しい?」 「えっ?!あ、何?」 「誠一くんお熱だって。 僕代わりに凪くんと一緒にラジオに出てもいい?」 グループLINEの画面を見ながら紅葉が聞いてきた。 「マジか…!休むって相当だな…。」 「だよね。心配…。」 「ラジオ…いいけど。 深夜だから内容がなぁ…! お前にはキツいかもよ?(苦笑)」 「頑張るよー!」 誠一にお大事にと返信し、紅葉が代理出演すると連絡しておく。 ※ラジオ番組司会者『』で表記しています。 そして深夜… 『紅葉くんは19才になったんだっけ? じゃあもう…大人だね?』 「…セクハラですよ?」 「…?日本の成人式は来年だよ?」 『そーだね…(苦笑)』 日本語は通じていても夜の含みを持たせた会話は紅葉には通じない。 『…あんまカップル向き…え、まずカップルって言っていいのかな?ソフトな質問があんまなくてどーしよっかな。えー、何聞こう…。』 「皆さんが言う分にはBLだろうが、なんでもいいですよ。 すみません、いろいろ気を遣わせて…(苦笑)」 『いーえー! じゃあ初心に戻って恋愛観から聞いて行こうかな?好きなタイプと嫌いなタイプは?』 「好きなタイプは一生懸命で真っ直ぐな子。嫌いなタイプは打算的というかあざとい感じの子かな。」 『紅葉くんは?』 「優しくて誠実な人、しっかりしてる人が好きです。 苦手なのはウソついたり、人の悪口を言う人…。」 『理想のデートは?』 「俺は基本的にどこでもいいけど…。 ベタな映画とか買い物もありだし、最近は割りとアウトドアかな?」 『へぇー。海とかキャンプ?』 「そう。キャンプはテント立てたり、2人で協力しないとって感じがあって楽しいですね。」 『いいね、夜は狭いテントの中で2人きりでくっついて寝て…って感じでねー!』 「ははっ(笑)」 「僕は都会のデートよりのんびりしたとこが好き。 キャンプ、お魚が取れないと晩ごはんのおかずが缶詰めになるの。 ハラハラして面白かった。」 『紅葉くん…それ2人でキャンプ行ったってほぼバラしてるようなものだけど?』 「はっ!!あの…! 2人じゃなくて平ちゃんも一緒だったよ!」 『友達?』 「うちの犬です(笑) もう、グダグダ…!(苦笑)」 『何だろう…ほんわかしてきたので、ちょっとずつレベルを上げます! 告白は自分からする派?相手から派?』 「僕は自分から言うよ!(1人にしか告白したことないけど)」 「俺は…どうかな?自分からもいくけど、あんまり勝率良くなくて(苦笑)、多分告白されて付き合う方が多いかな?」 紅葉が無言で凪を見つめている。 『やば。これ質問気をつけないとダメだね!(苦笑) えっとコスプレは有り派?なし派?』 「えー、俺はありかなしで言ったらありで、まぁ正確にはどっちでもいい派かな?」 『どうせ脱がすし?(笑)』 「そーそー(笑)」 「っ!!」 『いや、これで照れてたら話進まないよ?(苦笑)』 「…頑張って。」 凪が小声で言うと紅葉は小さく頷いた。 「えっと、僕は可愛い服も好きだよ。 今度学祭で着ぐるみみたいなの着るんだー! アニメのコスプレとかもしてみたいな。 相手には和服を着てもらいたいです! あ、脱がさない派だよっ!」 紅葉の暴露に爆笑する司会者。 『いきなりだねー!(苦笑) えっと、じゃあ浮気はあり派?なし派?』 「なし。」 「絶対なしだよーっ!」 『一致してるね。まぁ、当たり前か…(苦笑) 因みにどっからが浮気?』 「友達とか家族以外とのハグと挨拶のキス以上。」 『複数人でご飯もダメ?』 「んと…、ご飯とかはいいんだけど…。 相手が知ったら傷つくかもって思ったことはしない。」 『へぇー。なんか真面目に恋愛しててスゲーえらいね。感動だよ。いい番組になってきたよ(笑) えっと、喧嘩したら自分から先に謝る派?相手から切り出されるのを待つ派?』 「すぐ謝るっ!!」 「自分が悪いと思ったらすぐ謝るし、そうじゃなかったとしても一回頭冷やして謝るかな。」 『2人は喧嘩するの? あー、そのメンバーとして?ってことで、参考までに聞こうかな?』 「喧嘩っていうか、まぁ、紅葉は常にこんな感じなんで…何かとやらかすんですね。」 『例えば?』 「よくやるのはスマホ持たずに散歩に行って、帰ってこないパターン」 『えっ?!喧嘩して出て行ってるってこと?』 「違うの。ボーっとして歩いてたら迷子になって帰れないだけ…(苦笑)」 『そんなことある?!家の近所でしょ?(笑)』 「あり得ないでしょ?(笑) 空見て歩いてた~!とか言って。 近ければ犬が帰巣本能で連れて帰ってくるんだけど、うちの犬もそんな頭良くないからちょっと遠くまで行くと分からないみたいで…完全に迷子になるんですよ…(苦笑)」 「平ちゃんは賢いよ! お散歩中におやつをくれる人をちゃんと覚えてるもん!」 「…食い意地張ってるだけじゃね?」 『(笑)どうやって帰るの?』 「同じように犬連れてお散歩してる人に道聞いたり、アプリの地図見せてもらったり…近くの公園まで連れてってもらったり…みんな親切!」 「この前3時間帰って来なかったんですよ?! 危ねーからめちゃくちゃ怒ってスマホ持てって言うんだけど…持ってても充電きれてたりするから…(苦笑)」 「正座してごめんなさいをしました。」 『…もうGPSつけなよ。 とりあえず犬に付けたらいいじゃん!』 「…そうしようかな(苦笑)」

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