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【媚薬の波紋】※R18

紅葉ヴァイオリンコンクールのリハーサル前夜… 深夜130 凪は先輩後輩交えての音楽仲間との飲み会から帰宅した。 楽譜を抱えながらソファーでうたた寝をしていた紅葉はガタガタという物音で目を覚ます。 「凪くん、お帰りなさい。楽しかった?」 「まだ起きてたの? ただいま…。」 「ソファーで寝ちゃって… …?凪くん?どうしたの? お酒飲みすぎた?」 いつもより顔色が赤く、深酒を心配する紅葉。 「いや… 大丈夫…。」 そう言いながらも少しふらつく凪… 「でもなんか変だよ? …待ってて、今お水持ってくるね。」 受け答えはしっかりしているが、ここまで酔っ払った凪を見ることは珍しい。 たまにはそんなこともあるかと、紅葉は凪の世話を焼き、多少足取りの覚束ない彼を支えてソファーへ移動させようとしたが… 「っ!触んなっ!」 「あ、ごめんね…っ!」 拒絶されて驚きとショックを隠せない紅葉…。 「…ごめん。ビックリして… 明日早いんだろ?もう寝ろよ…」 「でも… 凪くんやっぱり何か変…っ! 心配だよ。気分が悪いの?」 心から凪のことを心配している様子の紅葉を見て、凪はひとつ溜め息を吐いた。 「ごめん、紅葉。 お前のせいじゃなくて… 飲み会の悪ふざけでちょっと盛られたんだ。 さっきまで平気だったけど、回ってきたみたい…。」 「えっ?!盛られたって何…? まさかドラッグ?」 「さすがにそんなヤバイもんじゃねーよ。 何だろう?媚薬的な? いや、スッポンとかマムシとかかな? 精力剤的なやつ…分かる?」 いまいちピンとこなくて、スマホで検索した紅葉は意味が分かると顔を赤らめた。 「こんなの飲んじゃったのー? 大丈夫?!」 「みんなアホだろ?(苦笑) 大丈夫… シャワー浴びて…テキトーに抜いちゃえばそのうち治まる。」 額に汗を浮かべながらも微笑む凪はけっこう辛そうだ。 「あの…っ、僕も手伝う…!」 紅葉はそう言うが… 「バカ…! お前のことそんな性欲処理みたいに使えないよ。」 「でも…」 「今…紅葉と抱き合ったら自分を抑えきる自信ない…。 それでお前のこと傷付けたり、俺たちの関係が壊れたりしたら絶対後悔するから…! お前はコンクール前の大事な時だろ? …分かって?」 そう告げると凪はバスルームへ籠りに行ってしまった。 15分後… 「抜けば多少マシになるかと思ったけど…なんだよ、スゲー熱い…! ったく、何混ぜたんだよ…っ!!」 凪は悪態をつきながら、シャワーを冷水に切り替えて頭から被った。 もう冬も近いこの時期にバカなことをと思ったが、とにかくこの身体の熱を拭い去りたかった。 「凪くん…っ!」 バスルームの半透明の扉越しに紅葉が声をかけてきて驚く凪… 「何…?」 「ここ開けて…っ!」 「無理…。察して?」 「僕、準備…してきた。」 「はぁっ?!」 「凪くんがツラいのに一人でほっとけない…。 僕大丈夫だよ!凪くんいつも優しいけど、ひどくしてもいいよ?傷付いたりしないし、こんなことで僕たちの関係も崩れない! 僕にとって凪くんより大事なものはないんだよ…。 こうやって距離置いて突き放される方がやだよ…。」 紅葉の訴えに凪はバスルームの鍵を開けて、華奢な身体を引き寄せた。 「冷た…っ!えっ、お水?!」 「バカなやつ…。 どーなっても知らないからな?」 シャワーを止めて、紅葉の服の中に手を入れながらキスで唇を塞いだ。 紅葉が両手で必死に抱えていたローションとゴムを奪い取ると早急に服を脱がせていく。 「はっ、あーっ!!」 いつもは時間をかける愛撫と前戯も最低限で紅葉の後ろにローションを塗り込んですぐに挿入し、初めからガツガツと腰を打ち付けていく。 「あ、あっ、んぁっ!」 「紅葉…っ!」 「は…っ、ふ、ぁっ!」 壁につかせた紅葉の手を後ろから抑え込むようにして重ねて握り、最奥を突く。 紅葉からは喘ぎというか悲鳴に近い声が続いたが、今の凪に構う余裕はなかった。 休む間もなく立て続けに二度抱いて、寝室へ移動して口でしてもらってから更に二度組み敷いた。 凪が落ち着いたのは明け方で、紅葉はほとんど眠れずにコンクールのリハーサルへ向かったが、文句1つ言わず、絶対自分の方がボロボロの身体なのに凪の身体だけを気遣って行った。 「どこまで愛情深いの? 敵わないな、ホントに…。」 凪はやっと自分の感覚を取り戻した身体に安堵しながら目を瞑った。 リハーサルから帰宅後、ソファーに倒れ込みヴァイオリンを抱えたまま爆睡する紅葉… 凪は早めに仕事を切り上げて家に戻ると紅葉の眠る姿と、床に投げ出されたままの鞄を見つけた。 痛み止の薬箱が覗いていて、さすがに申し訳なく感じる凪… 一先ず紅葉に毛布をかけると夕食に彼の好物ばかりを作った。 「紅葉…!大丈夫?起きれるか?」 「ふぁ…? あ、凪くん! お帰りなさいーっ! いい匂い…っ!ハンバーグ?」 起こしてみればいつも通りの紅葉の様子にホッとする凪… 「お前もお疲れ…。 ごめん…身体ツラいよな…。」 「ストップ! 謝らない約束だよ!」 紅葉に止められて凪は頷いた。 「凪くんがちゃんとお家に帰ってきてくれて良かった。一人でなんとかしようとか、他の人のところにいかなくてホントに良かった…!」 「紅葉……っ! 今日さ、ハンバーグとにくじゃがとエビとアボガドのサラダもあるよ。デザートはアイス…」 「すごいね、僕の大好きなのばっかり! ご馳走だぁ~っ!」 「無茶して悪かった…。 側にいてくれてありがとう。 大好きだよ。」 そう言って口付けてくれる凪を紅葉はしっかりと抱き締めたのだった。

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