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【久しぶりのデート ~エピローグ~】※微R18
「お腹痛い…。」
「……マジか…。え、大丈夫?
食い過ぎ?
分かった! …アレだろ?
出せって言ったのに飲むから…」
「違うもん…。
…キスしてくれたら治るよ?」
昨夜の余韻で起き掛けから「寒いね。」とくっついてきた紅葉とちょっと…まぁ、いろいろあって。
体調を心配する凪と、Linksの出番を無事に終えて、待ち時間にセッションイベント用のコスプレ…サンタのミニスカートコスに着替えた紅葉。
「光輝に見付かったらヤバいからダメ…。
あとでね…?
ってか、そんな格好して…余計冷えるよ?」
凪のパーカー(Linksの物販)を貸してもらって長い裾と袖口、凪の匂いにふふふと笑う紅葉…。
「あ、カナ!
これスカート短い。
長く出来ないの?」
スタッフのカナを呼び止めて聞くが、これ以上調整出来ないらしい。
因みにレディースサイズだ…
ウィッグもあるけど…いる?とメモで聞かれ、試しに着けてみるが…
「うーん……。
なんつーか…みな、みたい…(苦笑)」
「…何?
うわ…っ、止めて。
自分の女装(?)見てるみたい…(苦笑)」
みなも紅葉を見てそう言った。
「変かなー?」
ゆるくパーマのかかったウィッグの毛先を指で遊びながら紅葉は首を傾げた。
寧ろ全く違和感がないのが変なくらいだと凪は内心感じていた。
「ヤッホー!
お疲れ!盛り上がってたね…!
って!!…なんつー可愛さっ!!」
もうすぐ出番の回ってくる翔が楽屋に遊びに来て、紅葉のコスプレを見て興奮している。
「ヤッベっ!
Aoiとかマツに見つかんないでね!変態だから。
んと…、ちょっとお兄さんの隣においで?」
「翔くん…、紅葉に触ったら珊瑚にチクるよ?」
「…うん、やっぱ2mくらい離れようかっ!!」
その後、LiT Jのメンバーにも見付かって、Aoiにナンパされて(もちろん冗談だが)、マツからはお菓子を貢がれる紅葉。
でも本人は全然分かってなくて、可愛いと言われたのは服のことだと思ってナンパを適当にかわして、お菓子はお礼を言って受け取るとみなとカナのところに持っていき一緒に食べていた。
「腹痛いんじゃなかったの?(笑)」
「ちょっとだけ。お腹すいちゃった…!」
「…大丈夫ならいーけど…。
あのさ、スカート短いから気をつけて。
ベース抱えたら捲れるかも…
下に何か履いてる?
気をつけないと…脚につけたキスマ、見えるよ?」
「っ!!」
凪は紅葉の耳元でそう言ってウィッグを取ってやると、LiT Jのステージを見に行った。
少し遅れて紅葉もやってきて(凪に借りたパーカーの前をきちんと閉めているが、逆にエロく見える不思議効果…)
凪の隣で翔の写真を撮り始めた。
「スタッフの子に聞いたら個人用なら撮ってもいいって言うから、珊瑚に送ってあげるんだ!」
「そっか。喜ぶんじゃない?
普段と違ってステージの翔くんはカッコいいし、悔しいけど…やっぱ上手い…!」
実力と経験の差、翔の才能を肌で感じながらも凪は自分も更に上手くなりたいと決意したのだった。
セッションLIVEはクリスマスのコスプレをしたメンバーも何人かいて、ステージには入れ替わりで各バンドのメンバーも登場し、コラボしながら演奏し、大いに盛り上がった。
自分の書いた歌詞以外を覚えるのが苦手なAoiはカンペを見ながら歌っていて、しかも字が汚くて読めなくて歌えないという酷さだったが…。
歌は上手いだけにもったいないとみんなが苦笑し、一回り年下のみなにもアホだと言われていたそうだ。
このセッションを実現させるためにメンバーの構成を考えたり、機材の調整に翻弄した光輝は非常に満足そうな顔を見せていた。
私服に着替えて、機材の片付けをし、打ち上げへ。
「腹は?大丈夫なの?」
「良くなってきたー!
やっぱスカートで冷えたのかも。
女の子は寒いのに大変だね。」
「そっか…。一応、控えめに食べてね?
ってか、明日学校だっけ?早めに抜けような。」
「2限から…
ちょっとだけいるよ。凪くんは残る?」
「…一緒に帰るに決まってるじゃん。」
凪の返事に紅葉は嬉しそうに笑顔を見せた。
「いいね、相変わらずラブラブで。
でも俺ももうすぐ会えるもんねーっ!
あ、さっきのサンタコス、クリスマスに使い終わったら貸してくんない?」
2人が話してるいると、翔が隣にやってきた。
「?いいよー。」
児童養護施設のクリスマス会に着て行くつもり(もちろんその時は下にズボンを履く予定)の紅葉は快諾するが…。
「紅葉でピッタリだから珊瑚には入らないと思うよ?ってか、あいつは絶対着ないと思う。」
「えっ?!」
「だよね…。」
驚く紅葉と残念がる翔…
「紅葉ー?明日何時なら家にいる?」
みながやってきて、ドイツにいる紅葉の弟たちへクリスマスプレゼントをまとめて送りたいのだと言う。
「18時にはいるよ。
ありがとー!
持ってこれる?」
「あ、俺のも混ぜてよー。」
送料が高くつくのでなるべくみんなのをまとめて送ることになった。
「翔くん、車でうちまで来てくれるよね?
で、紅葉のとこ行こ。どう?」
「いいよー。旦那は?」
「仕事。」
光輝は相変わらず多忙のようだ。
今日も後輩の相談に乗っている。
「俺も明日仕事…けど、夕食作っておくから3人で食べたら?」
凪の申し出に喜んで頷いた。
帰宅後…
うとうとする紅葉を抱えて湯船に浸かる。
重ねた手を頬に当てながら「楽しかったね」と呟く紅葉にお預けしていたキスを送る凪。
「ん…っ、ふ…」
深く口付けて舌を絡めると、凪の首に腕を回して物欲しげな視線を向ける紅葉…
「今日はダメ…。」
「なんで…っ?」
「明日学校あるだろ?…早く寝なさい。」
「でも…っ!
…今日の凪くんもカッコ良かったな…。」
凪の胸に頭を預けながら褒め始める紅葉…
「どーも…。
…逆上せない?
そろそろ出よっか?」
「もうちょっとだけ…!」
どちらのことなのか分からないが、向かい合わせに体勢を変えて膝の上に乗られれば凪の自制心もぐらぐらと揺れ動く。
「チューだけ…。
それならいい?」
「いいよ。
なんか可愛いね。」
抱き寄せてキスをする。
膝立ちで凪のキスに応える紅葉は早速夢中になっている。
凪はこれは絶対キスで終わらないな…と苦笑しなごらも恋人の細い腰を支えながら甘い舌先を吸った。
翌朝…
紅葉は寝不足の目を擦りながら大学へ向かったのだとか…
End
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