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【暖かな居場所 (5)】※R18
部屋に戻ると平九郎は小麦の相手に疲れたのか、何故か専用のベッドではなく、リビングの座布団の上で爆睡していて起きそうにない…。
紅葉は凪の腕を軽く掴むと背伸びをして口付けた。
凪は上機嫌で紅葉の腰を抱くと舌を絡めてキスに応える。
「ん…っ!ふ…っ、…ん、んっ。」
キスの合間に紅葉の瞳を覗き込むと、昼間のこともあり、熱が籠っているのがすぐに分かった。
凪に抱き付いている手も必死で愛らしい。
「……する?」
「うん…っ!
いい?」
「いーんだけど…、酒飲んじゃったからなぁー…
時間かかるかもよ?
紅葉、ちゃんと起きてられる?」
そんなに量は多くないが、アルコールが入った身体はいつもより感覚が鈍るので凪は紅葉の寝落ちを心配していた。
「ん、大丈夫…!
寝れないよ…。」
「ならいーけど…。
あぁ…。長期戦の方が紅葉はこっちで何回でもイけるもんな?」
ちょっと意地悪く笑って、形の良い臀部を撫でる…
「あ、ヤ…っ!
そんな…、何回もはキツいから…!
や、優しくして…っ!」
「はは…っ
もちろん。
明日に響かないようにしないと…。
紅葉も頑張ってね?」
「ん、うん…?」
頑張るって合宿のこと?と頭に浮かべた紅葉に微笑んで凪は寝室へ進んだ。
もちろん部屋の鍵はかけてある。
「んん…っ!
ぁっ!は、…あッ!」
「しぃー…!
さすがに壁は普通だから…声は抑えて?」
両手を口元に当ててコクコクと頷く紅葉。
大きめの部屋着はあっという間に脱がされて、滑らかな素肌の感触を楽しむ凪…。
「えっと…?
一番下だっけ?」
ごそごそとベッドサイドのチェストを漁る凪…
「ん…?
何ー…?」
「これも義くんがくれたよー。
せっかくだから使おうか?
…このローションいいやつだ。
あ、サイズ的にこれは紅葉用だな…(苦笑)
はい。着けれる?」
凪に手渡されたゴムは一般サイズで、動揺して固まる紅葉を背に、凪は自分の鞄を手繰り寄せて愛用のLサイズのゴムとタオルを準備した。
「な、な…っ!」
「…初日からシーツ汚したら恥ずかしいでしょ?」
「…うん…。あの、でも…!」
いつもはほとんど使わないので、ゴムを手に戸惑う紅葉を手伝う。
見かねた凪が手伝う。
「あとここ引っ張って?」
「ん…。」
「OK…!出来たじゃん?」
凪に褒められて喜ぶ紅葉。
でも和んでいられたのはここまでだった。
ローションを纏った凪の大きな手で、前も中も触られたらあっという間に昇り詰めていく紅葉…
「気持ちいい…?」
「う、ん!
…や、ぁ…っ!
もぉ、…い、く…っ!」
「ん。」
キスで紅葉の嬌声を抑え込んで、イかせる。
ゴムを始末して、息が整うのを待つと、その身を起こした。
「…寝ちゃダメ。
ほら、頑張ってその気にさせて?
得意なやつ…お願い。」
「はい…っ!」
凪のお願いに弱い紅葉は彼の長い足の間に入って、ゆっくりと唇を寄せる…
細い指で支えながら一生懸命舌と口を動かして、時々強弱をつけて愛撫を続ける。
「は…っ、
それ、いいね…。」
「…気持ち、いい?」
「うん。上手…。」
喉の奥まで咥え込もうとする紅葉に無理はしなくていいからと付け加えて、しばらく暖かくて心地いい口内を楽しむ。
「もうちょい慣らそうか?」
「あ…っ!んー…っ!…っ、は…っ」
丁寧に後ろを解して貰って、凪お気に入りの寝バックで繋がれば、紅葉は真新しい枕にしがみついて声を抑え込んだ。
「んん…っ!」
器用な恋人に背後から胸の突起を指の腹で押され、絶妙な加減で中を穿たれた紅葉は早々に二度目の絶頂を迎えた。
休む暇も与えられずに動き続ける凪に、更に中だけでも達して流石に根をあげていた。
「あっ、も、無理…っ!」
「ん、あとちょい…だから…!」
「ひ、っ、あぁ…っ!」
そう言われて正常位に変えられて、脚を大きく開かされ、真上から攻められれば悲鳴に似た嬌声が上がった。
その後、何度目かの中イキに身体を震わせる紅葉…
凪は痙攣と収縮をする中の快感に身を任せて、長らく溜まった熱を吐き出した。
「はぁっ、ふ…っ、は…っ!」
息も絶え絶えな紅葉の頭を撫でて、涙の溜まった目尻に口付ける凪。
「ごめん、キツかったよな…。」
けっこう無茶をしたので、どこか痛くないかと気遣う凪になんとか首を横に振って、呼吸を整える紅葉。
明日はバンドのミーティングとツアー前の合宿だ。酷使してしまった恋人の身体が心配である…。
「あー、ごめん。
やっぱ止めときゃ良かったな…。
明日はギリギリまで寝てな。」
テキパキと後始末をしてくれる凪を片目に、紅葉は力の入らない身体を奮い立たせて彼の腕を掴んだ。
「謝らないで…。
そんなこと言われたら…なんか悲しいよ…?」
「あ。…そーだよな。悪い…。」
「僕大丈夫だよ。
拭いてくれてありがとう。
…凪くんも一緒に寝よ。」
「あぁ。
おやすみ。
…紅葉…?」
「うん…?」
「…愛してる。」
「…っ!
不意打ち!
ズルい…っ!
あの…、僕も…。愛してます…っ!」
照れながらそう告げる紅葉にもう一度キスをする凪。
おやすみのキスはいつも以上に甘かった…。
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