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「暖かな居場所 (16)」※R18

「あっ! んっ、あ…。 ね…、待って…?」 「…何?」 準備を済ませて、2人でシャワーを浴びて…とりあえず引っかけて着たバスローブを文字通り一瞬で脱がし、紅葉をベッドに押し倒すに凪…。 トラブル対応でほぼ徹夜で2日間のLIVEに挑み、実家の手伝いでも働いた凪は少々過労気味だが、とりあえず睡眠欲も食欲も満たされた今、欲しているものはただ1つだった。 「あ、なんか…緊張しちゃって…!」 「んー?何で…?ホテルだから? ここはここで落ち着かない感じ? …大丈夫だから集中しよ?」 「うん…。えっと…、でも…あの、ちょっと待って欲しい。 …何したらいい?」 「ん? え、何かしてくれんのー?」 そわそわと落ち着かない様子の恋人の髪を指で掬いながらにこやかに聞く凪…。 「…お誕生日だったから…! 何か…!えっと…どーしよ? まだ考えてなかった…! んー…、あんまり難しくないやつ…でもいい? ごめんね…っ!」 そう言って謝る紅葉の視線の先には何故だか大人の玩具を紹介しているチラシ…ホテルの販売サービスのものなんだろう… 凪は誕生日だからプレゼント(?)で、新しいことにチャレンジしたいのかなぁー?と考えてみたが、どうも紅葉の様子は違っている。 まだまだ凪を受け入れることに精一杯で、セックスを楽しむということまでは考えられない紅葉…。 もともと異性愛者で年上の恋人を男の自分が満足させられているか、紅葉は今でも不安なのだ。 玩具なんて使ったら怖がって泣き出すのは目に見えている…。というか、今もなんだか思い詰めて泣きそうだし…、と考えた凪は一度身を起こして仕切り直すことに。 「…ってか……、別にいつも通りでいーよ?」 「…え、そうなの…?」 案の定、凪の一言にホッとした声をあげる紅葉。 「うん。 ってか、ごめん…。 ガッツいたからビックリしちゃった?」 「…んー? ドキドキしちゃった。」 「ははっ。 誕生日だからって…紅葉がイヤなこととかしたくないことは俺もやりたくないし…。 俺的に玩具は別にいーかな?どっちかって言うと俺自身が直接触っていろいろしていきたい気分だから…紅葉は…そうだな…、ギュってしててくれたら大丈夫。 」 「…ありがと…っ! 僕…、上手に出来ることあんまりなくて…いつも任せきりだし…ごめんね。」 感極まって涙声でお礼と謝罪を言う紅葉を凪はゆっくりと抱き締めた。 「誰の入れ知恵か…まぁ大体検討はつくけどね。 気にしなくていいから…! 紅葉はそのままでいーんだよ。 変なプレイより、一瞬だったけど…、さっき作ってくれたのハートの方が俺は嬉しかった。」 「うん…、うん…っ。 ありがと。大好き、凪くん…っ!」 改めて、素肌で抱き合ってキスを交わすところから始めれば紅葉の変な緊張も抜けて、素直で可愛らしい反応が見られた。 「ふっ、あ…っ! ンー…っ!」 「…もう挿れていい?」 「ん…。だいじょうぶ…! …っ! ア…ッ! ヤ…、あ…、待っ! おっ、きい…っ!ん、もうちょっと小さくして?」 「ちょ…っ!今笑わせないで?(苦笑) 相変わらずキツいな…!(苦笑) …もうちょいだけどいける?」 「え?!…ぁ、むり…っ!」 驚いて一瞬だけ紅葉の身体の力が抜けたのを見逃さずに最奥まで埋めていく凪… 「あぁっ!!」 一際高い声をあげた紅葉の前髪をそっと流すと、唇の端を舐めながら凪は満足そうに呟いた。 「かっわい…っ!」 「……やっぱりオオカミさん…?」 凪は"さあ…どうかな?"と笑いながらもう一度口付けた。 …結局、事後は紅葉の方が離れたがらなくてLIVE前日だからと1ラウンドで自粛する凪に"だって…今日の凪くん…カッコ良かった…っ!あとちょっとだけだから…"と無意識に煽ったあと、くっついているうちにイチャイチャからのプラスα… 深夜の帰宅となってしまったが、満たされた2人は仲良くベッドに入り、すぐに眠りについたのだった。

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