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【2人の朝食】※R18

~紅葉の作る朝食~ 「出来たっ! 凪くーん! ご飯だよー?」 この日は紅葉が朝食を作った。 寝室で寝ている凪を起こしに行くと、意外と寝起きの悪い彼氏にベッドに引きずり込まれる紅葉。 「わわっ! …起きた? ご飯…」 「…火止めた?」 「えっ?! うん。」 「まだよそってないよな?」 「まだだよ。今日はパンだから… 凪くん先にコーヒーかなって思って…セットしてきたとこ。」 「ありがと。 …とりあえずこっちおいで?」 「えっ? あっ! ん…っ、アッ…! んんっ、だ、め…っ!」 あっという間にベッドに組み敷かれて、濃厚なキスに踊らされる紅葉… 今日はLIVEなのに…と思いつつも、部屋着にかかる彼の手を止めることはなかった。 「んー…っ は、ぁッ…! 凪く…っ」 「紅葉…っ!」 結局、挿入こそしなかったが、逆に言えばそれ以外でだいぶ盛り上がってしまい、朝食はブランチの時間になり、その前にシャワーと洗濯が追加された。 「冷めちゃった…。」 「温めたら大丈夫…俺がやるから…。 うまそうだな。 なんか…全体的に黄色いけど…(苦笑)」 紅葉の作る料理もだいぶ上達してきたのだが、組み合わせが個性的で時々凪を驚かせる。 今日はトーストに凪お手製のマーマレード。 少し焦げてしまったがベーコンエッグ、 凪が作ってくれたカボチャとさつまいも、レーズン、クリームチーズのサラダ、 パプリカのピクルス、 わかめと卵のスープ(インスタント) 多分偶然なんだろうが…うん、黄色い… 「早く食べよ? 僕腹ペコ…っ!」 「あ、ごめんね?(苦笑) いただきますー!」 「いただきますっ! サラダうまっ!ほんとこれ絶品ー!」 多めに作ったサラダは紅葉のお気に入りで黙々と食べ進めているようだ。 「半分みなのとこに分けようと思ってたのにもうないし…(苦笑) まぁ、また作ればいっか。」 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~凪の作る朝食~ 「いい匂い… おはよ…?」 「はよ。 今起こしに行こうと思ってた。 朝飯食べる時間ある?」 「あんまりないけど、食べるよー…。」 まだ半分目蓋が閉じている紅葉… 昨夜は寝ているところを凪に挑まれて寝不足なのだ。 LIVE後の彼は興奮が覚めやまらずに時々こういうことがある。 紅葉はそれをよく理解しているので、よっぽど眠くて起きられないとか、明日はテスト…とかでなければ受け入れるようにしているし、予め凪にもOKを出している。 今日は朝から講義があるため大学へ行く日。 ダイニングの椅子に座った紅葉に、出来立ての朝食を運ぶ凪。 食べやすいようにとお握り(具材は手作りの肉味噌と鮭ワカメ) 大根と豆腐、ネギの味噌汁 紅葉の好きな甘めの卵焼き ドイツソーセージ 見た目が鮮やかな人参、パプリカ、ブロッコリー、レタスのカクテルサラダ 食べやすくて、紅葉の好きな物や故郷のソーセージを中心に栄養バランスも考えられている。 「いただきまーすっ! …凪くんは食べないの?」 「これから寝るから、起きてからにする…。 食ってる間に髪やっちゃうよ?」 「あ、ありがとう。 お願いしまーすっ!」 紅葉が食べている間に寝癖のついた髪を整えて、きちんとセットする凪。 こうすれば時短になるし、何より紅葉が自分でやるよりもカッコ可愛い髪型になるので本人も大喜びだ。 髪型が決まると、紅葉にお茶を出しつつ、お弁当を包む凪。 「ごちそうさまでしたっ! ふはぁー、美味しかった! お腹いっぱい、元気でたよ! …お昼は何?」 食べてすぐお昼の内容を確認する紅葉に笑いながら、凪はお弁当の入った小さな手提げを渡した。 「開けてからのお楽しみ…(笑)」 今日は贅沢にもローストビーフ(もちろんお肉もソースも手作り)を挟んだクラブサンドだ。 「なんかいい匂いするっ! 包みもオシャレ! またお友達に羨ましいって言われちゃうよっ!…よしっ! 頑張るね。」 紅葉は嬉しそうに凪にそう告げた。 そんな恋人を抱き締める凪は少し心配そうで…。 「身体へーき?…送って行こうか?」 「大丈夫だよ。 凪くん眠いでしょ? お疲れ様ー! お弁当もありがとっ!」 数分間だけ、抱き締め合ってキスを交わす… 「行ってきます。 あ。ゴミ出しとくね!」 「お、ありがと。忘れてた。 気をつけて行けよー。」 またあとで…と軽いキスをして紅葉を送り出した。 End

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