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【大好きが止まらない】(1)

その壱 ~ある日の夕食~ 「肉じゃがおいし…っ! もうね、凪くんの肉じゃがは神っ!」 「ありがと。 骨取ったから魚も食えよー? あ、こっちの茄子はお前が育てたやつだよ?今日じいさんからもらった。」 食べやすいようにと、焼き魚の小骨まで取り除いてあげてしまう尽くす男の凪。 (紅葉は小骨を気にせずそのまま食べてしまうが、以前喉に刺さって泣いたから取ってあげている。) 「そうなの? すごーい! 揚げ浸しだっ! 美味しそうーっ! さんまも好き! あ、肉じゃがのおかわりある?」 「あるけど…もう2杯食ったよな?(苦笑)」 「だって食欲の秋が来たんだよ? 美味しいし、大好きなんだもん…っ! …そーいえば、凪くん今日なんか違う…! 髪型? 今日お休みなのにセットしてるの珍しいね?」 「あー… 動画撮ってた。FC用の。 いつもの料理風景だけどなー。」 「えっ、見たいっ! …後で見せて?」 「いーよ。 編集するとこ横で見てる?」 「うんっ!」 「…ホント俺のこと好きだな?(笑)」 「ダイスキっ!」 笑顔で告げる紅葉に凪はテーブルを挟んでキスを送った。 その弍~夕暮れのお昼寝~ 「紅葉ー…っ! どこで寝てんの?」 「はっ! …くちゅん…っ!」 「ほら…っ! 早く家に入れって。 お前たちも…」 ジムから帰宅した凪は庭で寝そべっていた愛犬と恋人を連れて家に入った。 「ごめんね。 でもさっきまでお日様がポカポカして気持ち良かったんだよ。 3人で遊んで、休憩して…ついお昼寝しちゃってた。」 「庭先でよく寝れるなぁ(苦笑) もう11月なんだから気をつけないと風邪ひくぞー?」 「はぁい…。 平ちゃんたちとお昼寝するの好きなんだー。 凪くんも今度一緒にお昼寝しよー?」 「いーけどさ…、平和過ぎでしょー(苦笑)」 「ふふ…。 あ、そーだ。 …お帰りなさい、凪くん!」 「ただいま。 …今日は焼売ー。包むの一緒にやる?」 「やりたーいっ!」 その弎~筋肉フェチの恋人~ 「わ…っ! 腹筋、スゴい…っ!」 「そう? 別に腹筋だけ鍛えてるつもりないけど… トレーニングとスパーリングの成果かなー? ってか、コーチが強すぎてさ…!(苦笑)」 「そうなの? でも本当に素晴らしいよっ! 腹筋…! 凪くん、因みに今の体脂肪率ってどのくらい?」 さりげなくボディタッチで凪の腹部を撫でながら紅葉は尋ねた。 「8%」 「8%っ?! ヤバっ! スゴすぎる…!」 「ツアーで地方行ったらけっこう食べたり飲んだりするからまた増えるだろうけどなぁー(苦笑)」 「そうかな?」 「紅葉、休み合うとこ一緒に来るよな?」 「行きたいけど、いいのかな? あ! 平ちゃんたちは…?」 「みなのとこ、体調落ち着いてるから預かってくれるって。…来る?」 「うん…っ! あ、ここも好き…。」 「上腕? お前けっこう筋肉フェチだよな?(苦笑)」 「自分は筋肉つきにくいから羨ましくて…。 あぁ…、美味しそうな身体…っ! 好き…っ!」 ピタリとくっつく紅葉に苦笑する凪。 「…え、身体だけ?(苦笑)」 「まさかっ! 全部好き。 大好き…っ!」 「俺も好きだよ?」 「嬉しっ! え、僕の身体だとどの辺が好きー?」 「んー、この収まり感?」 ギュッと抱き締められた紅葉はとても嬉しそうだ。 「は、ふ…っ! 凪くんの背が高いだけで、僕は小さくないよ? …幸せっ!」 「…冷えたでしょ? 一緒に風呂入ろうか。」 「うん…っ!」

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