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【ドッキリ企画】(2)

ネタバレしたのでみんなで笑って、2人はスタジオへ。 せっかくだからこれから来るメンバー(Linksの誠一とLiT Jのゆーじ)にもドッキリを仕掛けようと準備中。 紅葉はカメラの回っていないところで改めて凪にバレた原因(?)を聞いていた。 「まぁ…顔見てすぐあれ?って思ったけど、お前下向いてたから…! んー、決めては手かな…。」 「手…?」 「そう、手紙もらう時この手を見たら確信した。」 「…女の子の手はもっと華奢だもんね。」 シュンとなる紅葉。 どれだけ着飾っても本物の女性にはなれないことを実感する。 女性になりたいわけではないが、もし女性として凪と出逢っていたなら…と毎度考えてしまう…。 心の中で「もう女装止めよう、でも可愛い服は好きだし年齢的に許されるまでは着てみたい…」と自分でもよく分からない思考に陥る紅葉。 「お前も十分華奢だけどな(苦笑) この手は相当楽器弾いてる手だよ。」 そう言って紅葉の手を握ってくれた。 バンドのメンバーとしてもだが、3年付き合っている恋人に気付かないわけがないと凪は告げた。 「凪くん…っ!」 紅葉は感動して凪を見詰める。 その視線に凪も紅葉を見詰めるが…… 「……うん、やっぱ違和感あるな…(苦笑)」 「ふふ…!」 微笑み合いながら、凪はウィッグを触り「これどーなってんの?」と聞いたり、紅葉は「この服新しいやつ?カッコいい!」と目を輝かせていた。 そこへ… カシャッ…! シャッター音が聞こえて2人は振り返った。 楽屋の入り口にはLiT Jのサスケとゆーじがいた。 「浮気現場抑えましたっ!」 「その美女誰っ?! ってか、なんで凪ばっかモテてんのっ?!」 完全にイチャつくカップルの2人を見て騒ぎ立てる2人… 「ゆーじ、何撮ってんだよ。」 凪はスタッフがこっそりカメラを回しているのを確認すると、ドッキリのチャンスだと芝居を始めたようだ。 「いやいや、ここ職場だよ? 浮気にしては大胆だな…(苦笑)」 「…内緒にして?」 凪は紅葉の腰を抱き寄せて「喋るな」と、視線を送ると2人に向き合った。 「えー?マジでー? 凪は一途な男だと思ってたのにー! あ、こんには。 マジで可愛いーね!」 「モデルさん? 名前なんて言うの?」 2人は紅葉だと気付かないらしく、興味津々に聞いてくる。 ゆーじに至ってはモデル友達を紹介して!とまで言い始める始末… クスクス笑い出す紅葉、しばらくしてネタばらしをした。 2人はとてつもなく驚いていた。 「マジで美女っ! 付き合って?」 「…ごめんなさい?」 「だよね(笑)」 その後、楽屋へ来た誠一に飲み物を差し入れる紅葉。電話中の彼に2度見された。 そこへゆーじとサスケが来て「さっきの子めっちゃ可愛くない?」「誠一くん的にアリ?ナシ?」と煽ると…。 「んー、アリ…だけど、ナシかなぁ(苦笑) 今後の人間関係的に、ねー?」 そう言って隣の凪を見る誠一はドッキリに気付いているようだ。 「えっ?! 誠一くん誰か分かったのっ?!」 「何でっ?!」 凪の合図で紅葉が楽屋に入ってきた。 「じゃーんっ! どう? ビックリした?! 可愛い?」 「2度見するくらいには驚いたし、可愛いけど、さすがにいつも会ってるメンバーだからね。 あと僕、女装見破るの得意なんだ!(苦笑)」 「さすが…(笑) よし、じゃあ公録行こっか。 紅葉も来いよ? もちろん、その格好のままな。」 「えぇっ?!」 「いーねっ!」 「イェーイ!」 ドッキリを仕掛けた罰のように、女装姿のままサテライトスタジオへやってきた紅葉…。 ファンの子達は盛り上がっていた。 「そーいえば、ファンレターどうした? あれって紅葉が書いたやつ…?」 「ちゃんと書いたよー!」 「見せて。 ドッキリなんて仕掛けた罰としてみんなに晒そう。」 「ダメーっ!」 「ほら、この姿はラジオじゃ伝わらないじゃん?だから読み上げます。」 「あ、あとで写真撮ってLinksのファンクラブページに載せよう?」 大騒ぎで、結局暴露されて手紙の内容は「大好きです!ずっと応援してます。」のシンプルな一文で、本物のファンレターだと話題になっていた。 もちろん、公録後その手紙は凪の元へ。 収録後… 車内の2人… 「さっきファンレター渡してくれたじゃん?告白ん時思い出した。」 「えっ? そうなの?」 「渡し方同じだった(笑)」 「ほんとに?(苦笑) もー、僕の方が変に緊張しちゃったよ。」 「可愛いやつ。 じゃあ休憩しに行こっか? 慣れない格好して疲れただろ?」 「ん?」

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