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【類は友を呼ぶ】(1)

※BL要素少なめですが、宜しければお楽しみ下さい。 今日は紅葉は大学、凪は在宅ワークの日。 凪はミュージシャンらしく昼頃起きて、紅葉が朝のうちに作ってくれたバカデカイお握りとスープで食事を済ませ、メールをチェックし、急ぎのものを中心にいくつか電話を済ませた。 ドラムの自主練習と筋トレを終えると汗だくになるのでシャワーを浴びて、コーヒーを飲みながら動画編集と編曲作業…合間に電話もかかってくる。やることは山程ある…。 休憩がてらスーパーへ買い出しに行けばまだ夕刻前だというのにやたらと混んでいた。 白菜を2玉も抱えてひっくり返りそうなおばちゃんを咄嗟に支えて助けると"雪が降るっていうから急いで買いにきたのよ!"と教えてくれた。 「雪か… 積もったらヤベーな。」 予報を見ていないので詳しくは分からないが、どうりで寒いはずだし、店も混むはずだ。 凪も少し多めに材料を選び、ついでだからと隣に住む池波氏へ何か買うものはあるかと電話で確認してからレジへと向かっ 凪が帰宅すると、昼寝から起きたらしい愛犬たちの相手をしながら、再び集中して作業に取りかかる… すると… ガチャ… 紅葉が帰ってきたようだ。 平九郎と梅が尻尾を振りながら駆け寄っていく。 「凪くん…!」 「お帰り…。」 「ただいま。 あのね、お友達が一緒なんだけど、お家に入ってもらってもいい?」 玄関から顔を覗かせた紅葉は遠慮がちに凪に尋ねた。 「ん? 別にいーよ。 俺は上でも(仕事)出来るし。」 ノートPCと資料を一纏めにする凪。 愛犬たちは来客に大喜びのようだ。 大歓迎でジャンプしたり、駆け回っている。 「こんにちは。 彼氏さん、急にお邪魔してすみません…。 紅葉くんと同じオケで友人の高橋です。」 「ご丁寧にどーも。 散らかってるけど、ごめんね。 適当に座って。」 「今お茶淹れるね! 平ちゃんたちと遊んでてね。」 「ありがとう。 すごい広くて綺麗!素敵な家だね。」 友人の言葉ににこやかに笑う紅葉。 お茶を淹れる紅葉の隣に凪も並んだ。 お菓子を出してくれるようだ。 「お仕事平気?」 「あぁ。 …遊ぶ予定だったの?」 一応表に出る仕事をしている手前、セキュリティのことを考えて、理由を尋ねる凪。 もちろん、紅葉が連れてくるくらいだから信頼している友人なのだろうが急にだったので気になった。 「あのね、悠人くん…、あ、高橋くんね。 一人暮らししてるんだけど、お家の鍵をなくしちゃって…!」 「そりゃあヤバいな…(苦笑)」 「ずっと一緒に探してくれてたんですよー! でも暗くなっちゃったから切り上げて…。 んー、やっぱり絶対鬼ごっこしてた時だと思うんだよね…!」 「また鬼ごっこ?(苦笑)」 小学生のような遊びで盛り上がる紅葉と友人たちが不思議だったが、遊びに夢中になり鍵を失くす辺りやっぱり類は友を呼ぶのかと凪は悟った。 「うん。 悠人くん!僕、平ちゃんたちの散歩がてらもう一回探してみるよ! 鍵ないと困るし、取り替えたり、作ったりするのは高いんでしょ?」 「でも暗いし、寒いし、危ないから今日はもういいよ! 一応落とし物で届いたらすぐに連絡欲しいってお願いしてきたし…! あ、それで、大家さんに連絡しようと思って。 でも怖い人って聞いてたからどうしようって…相談してて…」 「あのね、名前聞いたら池波のおじいちゃんだったんだよ!すごい偶然でしょ? ちゃんと謝ったら全然怖くなかったでしょ?」 「紅葉くんのおかげだよー!」 「それで? スペアキー用意してもらえるの?」 「うん! セキュリティのとこに預けてるみたいで、今ユキくんが取りに行ってくれてる。 寒いし、その間うちにおいでよって誘ったの。」 「そっか。」 「あ、お仕事中でしたよね? ほんとすみません!」 「自由業なんで大丈夫。 高橋くん? …晩飯食ってく?」 「えぇっ?! そんな…っ!!」 「凪くんのご飯すごく美味しいよ! ね、今日は何ー?」 「煮込みハンバーグ」 和食が専門の凪が作る煮込みハンバーグは絶品で紅葉のテンションも上がる。 「わぁーい! 悠人くん! 絶対食べていった方がいいよー!」 「でも…迷惑だろうし、お邪魔しちゃうと悪いよ。2人、並ぶとすごいお似合いで…なんか見てると恥ずかしいくらい! ラブラブでいいねっ!」 同棲中の2人に遠慮しているようだ。

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