学校の授業や課題、幼稚園での実習の合間にLinksのバンド活動や個人の仕事をこなす紅葉。 年末頃にネットを見ていた凪が「あー、この機材いいな…。スゲー使えそう！ うっわ…！さすがに高いな…！」と呟いていたのを聞いて紅葉の中に「買ってあげたい…！」という気持ちが膨らんだ。 最新型の機材は確かに高額だが、あれば凪の作業効率も上がるだろうし、より良い楽曲作りに活かせるだろう。 紅葉個人の貯金をいくらか崩せば買える金額…。 でも貯金を使ったと知ったら凪はプレゼントに喜ばないかもしれない…。 今年は夏休みにドイツに暮らす紅葉の家族を日本に招くつもりでいてそのためにお金を貯めているのもあり、いろいろ我慢してくれているのだろう…。 紅葉はLinksのリーダーでイトコの旦那さん、そして事務所の社長でもある光輝にお願いして個人の仕事を多めに入れてもらった。 １つは、半年間通った日本の高校からの依頼で、来年度から導入されることになったジェンダーレス制服の紹介だった。 久しぶりに袖を通した制服は懐かしくて、少し照れ臭かった。 ステージに上がると撮影とインタビューを受ける。 「僕は…性自覚は男性ですが、女性らしい可愛い服を着ることも好きです。 普段はラフな格好が多いんですが、たまにお仕事とかで可愛い服を着るとモチベーションも上がります。 僕自身は高校生の時はズボンの制服でもイヤじゃなかったし、学校もすごく楽しく通えてたけど、そうじゃない人もいることを皆さんに理解していただきたいです。 今回、制服の選択肢が広がることでみんなが学校生活をより豊かに送れることを願っています。」 自身のジェンダーについても言及した紅葉の発言は注目を集めた。 「ズボンも身体のラインが分かりにくいデザインになって、スカートは今までと同じプリーツタイプのものと、今日僕が着てるのはストレート生地のキュロットタイプです。ハーフパンツに巻きスカートがくっついてるみたいな…？ ドイツの伝統衣装にも少し似ています！ 先生にソックスかタイツを履いていいよと言われて、でも…正直男の子にはハードル高いなと思いました。 素肌を見せたり身体のラインが目立つのはダメって言われ…あっ！違った！ えっと……！ 黒のチノパンを履きなさ……、履いたら？とアドバイスしてもらったので、学校と先生にも相談したらOKと言ってくれました。 僕は今日しかこの制服を着ないけど、その対応がとても嬉しかったし、安心しました。 …ありがとうございます。 校則も大事だけど、困ってる気持ちやこうしたいんだけどって思いを伝えたら学校側も先生方も一緒に考えてくれるから、 みんなも勇気を出して信頼出来る先生や友達に相談してね。」 前半真面目に頑張った分、後半がグダグダだったが、 自らが中傷の的になっても、ジェンダーに悩む若い世代のためにという気持ちが伝わり、世間にも広く受け入れられた。 笑いも取れて和やかにイベントを終えることが出来た。 もう１つはバレンタインが近いのでチョコレートのイベント 紅葉の好きなキャラクターとのコラボともあって非常に楽しみにしていた仕事だった。 「えっと…！ あの……好きです…っ！ 一生懸命作ったので良かったら食べて下さいっ!!」 全力で告白した相手は凪ではなく、クマのキャラクター(紅葉曰く凪に似ている)で、フラッシュがたかれるなか紅葉はイベントで手作りしたチョコレートを手渡した。(後で回収して改めて凪にプレゼントする予定だ) 「はぁー！ 緊張しました！ でも予習はバッチリ！(笑) みんなのお手本になったらいいな…。」 今年のバレンタインどう過ごしたい？ という質問には… 「いっぱいチョコ貰えるって聞いたので、チョコフォンデュをしたいです(笑)」 どんなチョコが好き？ 「何でも。チョコ食べると元気になる！ 家族やお友達とも食べたいです。」 手作りならどういうのもらいたい？ 「チョコの入ったパン！ 前に作ってもらったらすごーく美味しかったから…！」 この一言で凪はバレンタインにチョコレート入りのパンを焼いたそうだ。