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【ハロウィンイベントLIVE】

Linksの活動復帰はハロウィンのイベントLIVEへの出演に決まった。 ワンマンLIVEだと拘束時間的にまだ愛樹を長時間預けるのが心配だという理由からだ。 もちろんメンバーたちは理解を示してくれて、例え演奏するのが数曲でもLinksとしてステージに立てることを大事にしようと改めて誓ったのだ。 そして当日… 「どうかな…? 可愛い?」 凪の前でくるり…と一回りした紅葉。 今日の紅葉の衣装はハロウィンイベントならではの赤ずきんちゃんだ。 「カワイイ…けど、スカート短くね? 下って何か履いてんの?」 ひらり…スカートを捲る凪は紅葉のリクエストで狼男をモチーフにした衣装だが、上半身はほぼ裸。 紅葉は鍛え上げられた彼の腹筋や胸筋、腕に目が釘付け状態だ。 赤ずきんと狼男じゃ“リンクしすぎだ”と光輝に言われたが凪はそれでいいのだと告げるとそれ以上は何も言わなかった。 「あっ! 捲ったら…ん、だめだよ…! そんなに短くないし、ちゃんと見えても大丈夫なやつ履いてるよ?」 「何それ? え? 下着の上からこれ履いてるってこと? それともこれだけ?」 確認するように紅葉の細くて白い足に手を伸ばす凪。 「あッ!! や…っ!」 「…うん、そこの2人! その辺で止めておこうか?」 「…リオ、邪魔すんなよ。」 イチャイチャする2人を止めたのはLinksの同期バンドWin2のドラム、リオだった。 何故か彼は2人のイチャイチャ現場に出くわす確率が高い。 「ここ共同の楽屋。 公共の場所。 ついでにLIVE前なんだけど?」 「だから? 今大事なこと確認してる。」 凪はこの日LinksとLiT J、2つのバンドで出番がある。支度の時間も限られるので少しピリピリしながら答えた。 「ん、凪くん…っ!」 「いやいや、思いっきりキスしてんじゃん…(苦笑) なんでそんないつもラブラブ?」 確かに…リオの言う通り最近はほぼ毎日ラブラブしている。 毎回最後までするわけではないけど、スキンシップは欠かさない。 公正証書を作成しているうちに、またグッと2人の距離が縮まって、一緒にお風呂に入ってイチャイチャしたり、マッサージをしてやっぱりイチャイチャに繋がったり…甘い満月が続いているのだ。 「リオくんは最近どうなの?」 「あー、そーいえば…陸くんとどーなった?」 バッグハグで紅葉の肩口に顔を置き、腕は腰に回す凪。 赤ずきんが狼に食べられそうな構図にリオは顔をひきつらせた。 どうせ後でそれが現実になるのだと心の中で悪態をつく。 「……おかげさまでお付き合いさせていただいてますよー。」 「へぇー。 順調にヤってるんだ? (男同士の)壁、突破出来て良かったな?」 「良かったねー!」 含みを持たせた凪の言い方に気付かずにこにこと笑顔を向ける紅葉。 リオは溜め息をつき、「なんで付き合いたての俺らよりラブラブ?」と呟きながらふと紅葉の手元に視線を向けて目を見張った。 「いやいやっ! 紅葉くんっ! なんつーもんつけてんの?!」 「? あ…っ! これ? …ふふ…! 素敵でしょ?」 紅葉は嬉しそうに微笑んでキラキラ光る左手を眺めた。 「そろそろチェーンにつけ替えておけよ。」 凪は時計を見て紅葉にそう助言した。 「うん、そうだね。 バタバタして無くしたら大変…!」 「え、ちょっと…見せてよ。」 リオが指輪を覗き込んでいると、他の仲間たちもやってきて紅葉の周りに集まり出した。 一目でその指輪の意味と凪の本気(ついでにお値段もなんとなく)を理解した彼らは多くを聞かずに「スゲー!」「おめでとー!」「お幸せに!」と声をかけてくれた。 紅葉は驚きと少しの恥ずかしさを感じながら「ありがとう」と返した。 隣に立つ凪と顔を見合わせて微笑み合う。 気恥ずかしいけど、堂々としていようと2人で決めたのだ。 そこへドクターの衣装を着たみながバタバタとやってきた。その腕には泣いている愛樹… 「あー、良かった! 紅葉と凪、こっちにいたんだ!」 「どーしたの?」 珍しく焦る様子の彼女に紅葉は心配そうに声をかけた。 「私、衣装の選択間違えた。 着替えた途端に愛樹が泣き止まない…(苦笑)」 「へぇ、白衣見たら泣くもんなんだなー。 …いーよ、代わる。 髪まだだろ? 行ってきていーよ。」 凪は冷静にそう言うと泣いている愛樹を受け取った。 「ありがと。 お願い。 これ、荷物…! 汗だくだから着替え頼んでいい?」 「うん、分かったー!」 紅葉が鞄を受け取る。 小さな訪問者にリオを始め、バンドマンたちが驚いた。 「えっ?! 誰の子? Linksどーなってんの?」 「活休って誠一の留学じゃなかったの?」 「それもあるけど… とりあえず紹介する。 うちの新メンバー!」 凪はまだべそをかいている愛樹の顔を皆に見せた。すかさず紅葉がガーゼで涙や鼻水を拭いてやる。凪の抱っこも、紅葉のお世話ぶりも演奏中の時と同じくらい息が合っていて手慣れたものだった。 「愛樹(あんじゅ)ちゃんって言うんだよっ! すっごく可愛いでしょ?」 一瞬の間があって返ってきた答えは… 「「「めちゃくちゃ可愛い!!」」」 意外にも音楽仲間たちは子ども好きだった。 皆にあやされてご機嫌になった愛樹は笑顔を振り撒き、楽屋のアイドルになったそうだ。 End

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