144 / 204

【LIVEの日の朝に… 2】

と、話していた2人だったが、 機材の影に隠れてキスをしているところを光輝に見つかってしまい怒られていた。 「職場でイチャつかない! これからLIVEだっていうのに弛んでるよ?」 「ごめんなさい…。」 素直に謝る紅葉と、 「別に弛んでねーし。 キスくらいいーじゃん…」 不貞腐れる凪。 「凪くん!」 嗜める紅葉の髪にキスを落とす凪と、その光景に顔を引きつらせる光景…。 罰として物販の設営の手伝いを命じられて、スタッフに紛れて働く2人…。 スタッフと話をしながらも真面目に働く凪と、何故かグッズを抱えている紅葉…。 「…何してんの?」 「あ、売り切れちゃう前に買っておこうと思って。」 紅葉の手には凪のグッズが一通り揃っていた。 「えー、無駄遣い…(苦笑)」 本物が何時でも隣にいるのに自腹でグッズまで買う恋人は変わっている。 凪がそう指摘するが紅葉は真剣だった。 「やっぱりタオルもう1枚買う…!」 「はは…! お会計しますねー?」 スタッフも苦笑している。 「紅葉ー、汗かいたからそのタオル貸してよ。」 「えっ?! いいよっ! でも返してね? ……やった! プレミアっ!」 「ナニに使うのー? 明日洗濯するからな?(笑)」 凪の留守の間、彼の服(部屋着)を抱いて眠っていた紅葉。 だいぶ濃く深い愛情に凪はご機嫌だった。 そんなLIVE初日は程好い緊張感と、期待感に満ち溢れて始まった。 SEに合わせて会場内に煌めくのはプログラミングされた満点の星空…。 もちろん誠一の作品だ。 幻想的な演出の中、曲が始まり、一気にLinksの世界観が広がる。 LIVEは終始とても盛り上がり、大成功。 LiT Jと掛け持ちをしている凪も久々のLinksのLIVEに「やっぱりLinks最高だな」と心から実感していた。 LIVE後、舞台袖に下がった紅葉も興奮気味でメンバーやスタッフたちとハイタッチをしていた。 最後に凪の元へ行きハグを交わす。 「お疲れ。 最高だったな!」 「うんっ!」 続いて凪は紅葉の耳元で囁いた。 「…今夜は激しくなりそうだな?」 「…っ!! …もう…っ!」 驚いて頬を膨らましながらも満更でも無さそうな紅葉にそっとキスを贈る凪だった。 「あぁっ!! また…っ!!」 再び光輝に見つかってしまった。 「あははー。 2人がラブラブな方がレコーディングもLIVEも上手くいくよね。」 「誠ちゃんお疲れ! 星空、めっちゃ綺麗だったねー! 光輝くん、紅葉たちのことはもう放っておきなってー。 挨拶済ませて早く帰るよ、ベビーシッターに預けっぱなしの愛樹が心配じゃないの?」 「っ!! すぐ行く!」 こうしてLinksの再始動が始まった。 End

ともだちにシェアしよう!