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「LINKするカラー」(2) ※微R18
結局2人で美容室へ行くことになって…
例の条件のもと、散々話し合った結果…
凪は上部が地毛(黒)で下部がアッシュがかった銀(比率46くらい)のツートーンカラー。
紅葉は髪型のデザインを変えてもらい、少し大人っぽい印象に。
初めてのカラーリングは上部は地毛 のままで少し赤みが入った金のインナーカラー(比率82くらい)を入れてもらった。
凪の方が派手になったが、実は2人ともインナーにほんの一筋だがお互いのカラーの色を入れている。
プロ しか分からないレベルだが、カラーをリンクさせ細部まで拘り2人とも大満足だ。
明るい部屋や撮影された写真で個々を見るとそれぞれ違いがハッキリするカラーだが、暗い部屋で並んで見たりすると見事にリンクしていてパッと見お揃いに見えたりもする。
後にそれに気付いたみなは思わず「うわ……っ!計算……?だよね…。執着系…怖っ…!」と呟いたとか…(苦笑)
2人が美容室を訪れた当日、紅葉の担当美容師(男)は首元から覗くかなり濃い色のキスマーク(複数)に気付きビビりながらも、顔には出さず…丁寧にタオルを巻き、なるべく隣の凪を刺激しないよう気をつけながら接客していた。
「めちゃくちゃ髪綺麗ですね!
確かシャンプーうちの使ってくれてるんですよね?
トリートメントとか…普段からケアされてるんですか?」
「うん。
全部凪くんがやってくれてるー!
シャンプー凪くんの方が上手かも!」
「すみません……っ!」
「気にしないで!
…あ、凪くん!
ねぇ、今日これ食べたいー!」
紅葉は隣の席に戻った凪にタブレットを見せる。
ファッション雑誌を眺めていたのだが、いつの間にか料理のページばかり捲っていたようだ。
「…?
チキン南蛮?
あー…いいよ。材料あるし。
相変わらず夏バテとかないの?(苦笑)」
「ないよー!
やった!楽しみ!
なんか見てたらお腹空いたー(笑)
これ終わったらアイス食べたい!」
「はは…っ!
分かったからじっとして(苦笑)」
仲睦まじい2人に微笑む凪の担当美容師である店長と紅葉の担当美容師。
ドライとセットを終えて自身の髪の仕上がりより凪に釘付けの紅葉は「カッコいいっ!」を連発していた。
美容師たちが席を外した瞬間にキスまでしていて、鏡越しに2人の元へ戻るタイミングを見図ることとなった。
店長は貸し切りにしておいて良かったー…と染々と感じていた。
「凪くんー!
フィン練習終わったって!」
弟のフィンとの電話を終えた紅葉は凪に声をかける。
「おー。
じゃあ、合流するか。」
「あれ…?
僕の分のお支払いは?」
「もう頂いております。」と、微笑む店長に驚く紅葉。
いいの?と目線で凪に聞いた。
凪はサングラスをかけ口元だけ微笑む。
「外暑そ…。
…アイスはお前持ちね?」
「うんっ!
フィンの仲間にも差し入れしようー!」
美容師の2人にお礼を言うと手を取り、タクシーへと乗り込んだのだった。
後日談…
凪は新しい紅葉の髪色に「んー…、可愛いけどまだ見慣れねぇなぁ…。」と呟きながら襟足に触れる機会が格段に増えた。
この日も…
「ん…っ。
や、ちょっと…。
くすぐったいよー…!」
「…凪!
ラジオの公録中に紛らわしいことしちゃダメっ!」
仕事中だと光輝に咎められる凪。
「あ?
今触ってた…?」
「無意識…?(苦笑)
あ。ラジオお聞きの皆さん。
誤解しないで下さいね。
髪に触れてただけですよー?」
誠一がフォローするが、番組のSNSは物凄い勢いでファンの子たちが反応を見せている。
「凪!手は膝の上!
紅葉!今度から髪の毛結んできなさいっ!
それか髪色戻して!」
「えー?
なんか学校みたいだねー!」
必死な光輝に対して紅葉はのほほんとしている。今まで以上に凪に夢中なのだ。
テーブルの下で手を繋ぐ彼らに気付くと光輝はこのままでは番組の進行出来ないと次の策を練るようだ。
「……みな、凪と席変わって。
あと誰かピン持ってない?」
「ヤダ!僕凪くんの隣がいいっ!」
紅葉は凪の腕にくっつき離れようとしなかった。
ラジオでファンの子たちに見えていないからだろうが、そのまま凪の膝に座ってしまう。
目の前にある紅葉の項とカラーリングされた髪から目線を外せない凪。
さすがにそれは…と光輝は間に入る。
この状況をなんとかしなければと思いながらもいろいろ混乱したのかテーブルにあった書類用のクリップで紅葉の髪を止めようとしている。
「やめろ光輝。
髪上げたらヤバいの(歯形※噛み跡)が見えんだろ…!」
「はぁっ?!」
「落ち着いて光輝…(苦笑)
ラジオをお聞きの皆さん…
とりあえず…後で僕が代表して見ておきますので(笑)」
誠一はなんとか光輝を宥めようとしていたが、諦めたらしい。
そしてみなも呆れている。
「…私ツートーンやめよー。
この2人と同じ括りにされたくないー(苦笑)」
FIN
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