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【ある日のブランチ】(2)※微R18
翌日
ベシっ!
「…痛ぇ!」
「あ、愛樹ー!
叩いちゃだめだろー?」
凪に注意されるが、今度は頭に乗り上げ、顔を踏みつける勢いなのは最近益々動きが活発になってきた光輝とみなの愛娘の愛樹(あんじゅ、1才5ヶ月)。
「姫…?
そーだよ。優しいキスで起こしてよ。
…あー…頭いてぇ…(苦笑)」
ゆーじは愛樹に起こされたようで叩かれたよりも二日酔いで痛む頭を抱えている。
「んー…?
わぁっ!犬っ!」
サスケは平九郎と梅に起こされたようだ。
そこへシャワーを浴びた紅葉もやってきた。
「あ、おはよー。
2人とも朝ごはん食べる?
朝ごはんっていうかもうブランチかなぁ。
僕も寝坊しちゃってさー。」
「紅葉、オムレツチーズでいい?
…ってか、それダメ。
ちゃんと服着て。」
凪は片手で卵を割りながら、訊ねる。
紅葉がタンクトップと短パンという露出度の高い服装なことを咎め、慌ててTシャツを取りに走る。
「はぁい。
…ありがと。
チーズいっぱいでお願いします!」
キッチンでは着々とブランチの準備が進んでいて、その匂いはリビングにまで伝わってきていた。
「……ぁー、凪ん家か…。」
「なんで焼きたてのパンの匂いが…?」
「パー!」
「はいはい、おいで愛樹。」
凪は預かっている愛樹を呼び、小さく切った手作りのパンとスープを少し与える。
この"パー"がパンなのかパパを差しているのか…大人たちにはまだ分からないが、光輝は既に号泣しているらしい。
「はい、お水。
大丈夫?
ドイツパンだよー。
2人も食べる?」
「食べたい。
けど、もうちょい後で…。」
「俺も…。
って言っても朝そんな食えないよ…。」
30分後
そこにはバクバクと食事を口に運ぶゆーじとサスケの姿があった。
今日のブランチは洋食で手作りパン、野菜と豆のスープ(ドイツでいうズッペ)、オムレツ、サラダにフルーツヨーグルトだ。
もちろんコーヒーも。
「ハァー…旨…っ!
インスタにあげてる朝食ウソじゃなかった。」
「ホント…。
胃袋に染みる…っ!
手作りパンにサラダには家庭菜園のトマト?
…くそ充実してんなっ!」
「サスケー、文句言いながら食うなよ(笑)
別に普通だろ?」
「普通より手間と愛情かかってるだろ!
よしっ! せっかくだし4人で写真撮ってインスタにあげよー。
あ。キスマ発見ー!お盛んだねぇ(笑)」
「あー! にゃんにゃんしてたの?
俺らいるのに?(笑)
LIVEと打ち上げの後に? 体力あんね(笑)
ってか、…んー、若いなぁー。」
「だから今日のブランチ、こんな豪華なんだ?(笑)」
「っ!」
ゆーじとサスケの指摘に慌てて首もとを隠す紅葉。
でも正直、心当たりがあり過ぎてどこを隠したらいいのか分からない。
「だから普通だって。
2人とも…それ以上紅葉をからかうなよ?(苦笑)」
凪はそう言うと然り気無くシャツの襟ぐりを直してくれる。
「あ、ありがと…っ。」
「ん。」
照れながら顔をあげた紅葉と目を合わせた凪はそのまま身を寄せて唇を合わせる。
「おおーい…!(苦笑)」
「メンバーとこどもの前だぞー(笑)」
2人は笑いながらも声を合わせて「ごちそうさまー」と言ってくれた。
END
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