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【遅刻の理由】

※バンド内恋愛2 第153話(10月②)(2) ゆーじとの会話とリンクしています。 こちらのお話だけでもお読み頂けます。 カシャッ… 「ふふ…っ。」 「…ん? 紅葉… …また撮ってんの?(苦笑)」 「あ、起こしちゃった…! おはよー、凪くん。」 「…まだ早くね? あと少し…」 「かわい…っ! 疲れてるね…。眠いよね。」 目覚めればシャキッと起きてすぐに行動出来るタイプの凪だが、目覚めるまでは意外とベッドで微睡んでいたいようで紅葉的にはそこがたまらなく愛おしいポイントなのだ。 こんな凪を見られるのも自分だけだと思うと嬉しくてつい写真に納めたくなり、本人にバレると怒られるが止められない。 紅葉秘蔵の凪コレクションはバラバラの仕事で会えない時や移動中に眺めて糧にしている。 秋も深まり、朝晩は冷えるが未だに半裸で眠る凪… 紅葉がくっついてくるから暑いらしい。 「あ…、やっぱここの筋肉すごい…! 肩甲骨…だっけ? …はぁぁ…美しい…っ!」 俯せで二度寝する凪の肩や腕、背中をそっとなでながら再び写真に納めてうっとりする紅葉。 「ん、紅葉…? さっきから何喋ってんの? いーからこっち…!」 「わ…っ!」 腕の中に抱き締められて、目の前の厚い胸板に顔を埋める紅葉…。 彼のいい匂いがして、暖かさも心地好くドキドキしつつも眠くなりそうだ。もぞもぞと控えめに動きながら収まりの良い場所を探す紅葉。 繋がれた手にそっと指を絡め、揃いの指輪を指先でなぞる幸せ…。 無意識に左手薬指に唇を当て、指先まで辿る…。 ピク…と、反応した凪の手…。 そのまま紅葉の唇に指先が触れてきたので反射的にチュっとキスをして口に含む…。 「…なんつー誘い方してんの…?(苦笑)」 「んん…っ?」 目覚めてきた凪に対して、二度寝に入りかけていた紅葉は凪に脚を絡められ、腰を押し付けられて驚いた。 「ぁ…っ! や…、凪……っ! だ、め…」 だめだと言いつつ凪の首に腕を回してキスをねだる紅葉。 舌を絡め、角度を変えながら何度もキスを重ねる2人…。 「…紅葉が煽ったんでしょ? ベタベタ触って… ぁー、ヤバ…。 ちょっと…これはもう治まんないんだけど…?(苦笑)」 身を起こして困惑する凪の台詞と視線に頬が赤くなるのを感じた紅葉…。 朝の生理現象に拍車をかけてしまうくらいにはちょっと悪戯が過ぎたようだ。 「ごめんね、昨日会えなくて寂しかった…」と、キスを贈る紅葉。 「…かわいーから許す。 そんな俺の身体好きなの?(笑)」 「っ!ん…好き。 …全部好き…っ! ぁ、凪…っ! …遅刻しちゃうよ…?」 「それは困るな…。 じゃあ…協力して?」 「……うん…!」 後書き…紅葉が可愛くてなかなか離せず凪はちょっと遅刻しましたが、ちゃんと仕事しました。 END

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