182 / 204
【スエットと思いやりと…】(2) ※R18
「ん…。」
小さな声をあげた紅葉はもぞもぞと動き、やがて凪の腰を跨いで身を起こした。
紅葉の重みよりも、布団の間から入る冷気が気になった凪は目を覚ます。
「どーした?」
「えっと…、ちょっと…治まらなくて…!
…っ…、エッチ、したい…んだけど…。ダメ?」
「…!
いや、明日のフライト辛いと大変だからなぁ…(苦笑)
え、とりあえず抜いとく?」
紅葉の身体の負担を考えてそう提案する凪。
しかし…
「…僕だけはやだよ…。
…一緒にしよ? …ね?」
「紅葉…(苦笑)」
恥ずかしがるくせに積極的になる時がある紅葉。これはどう宥めようかと困惑する凪。
「じゃあ……凪くんは寝てていいよ。
僕がするから…!」
そう告げると凪の足元へ移動する紅葉。
いつも美しい旋律を奏でる綺麗な指が凪のスエットと下着にかかった。
「ちょ…っ!(苦笑)
紅葉、どーした?
ちょっと、一回待って?」
慌てて身を起こした凪が止める。
暗がりの部屋で大きな瞳を潤ませた紅葉と目が合い、眠気も一気に覚める。
何か不安を抱えているように見えて、凪は紅葉の髪を優しく撫でるとゆっくりと抱き締めた。
「凪…っ!」
「どーした?
ってか、もしかして俺何かやらかした?」
首を振る紅葉は少し身を離すと凪の手を握り話し始めた。
「最近ちゃんとしてくれないから…僕のこと抱きたくないのかな?って…。」
涙声になる紅葉とその内容に驚く凪。
「えっ?!
何で?
そんな訳ねーけど…。
あー、ちゃんと??
ん…確かに…回数も内容もちょっとセーブしないととは思ってさ。」
「なんで?
その、大事にしてくれてるのは分かってたけど…なんか違う感じもあって…!
えっと…、その…っ、全部…挿れなかったりするから…っ!
何で…?って聞いてもいい?」
行為が手抜きだと感じたことはないが、手加減はイヤだと紅葉は訴えた。
「あぁ。…この前もだけど、ヤリ過ぎて紅葉が翌日もフラフラだったり、なんとなく痛みが残ったり…あったじゃん?だから…。」
関係を公にした分、周りの目もあるし、仕事に支障が出てるのが他人から見て分かるようではいけない。
しかしやっぱり紅葉が愛おしく、やっと手に入った今の関係を失うのが怖くて結局なかなかセーブ出来ないのだ。
ここ最近は筋トレやキックボクシングのトレーニングを増やしたり、精神統一をして抱き潰さないように気をつけている。
「じゃあ…飽きたとかじゃない?」
紅葉の台詞に凪は目を見てキッパリと応えた。
「それはない。
ごめん、不安にさせてた?
ほんと…気をつけてても紅葉としてるとセーブ効かないからさ。
やっぱ仕事とかスケジュールのこと気になって…!
ドイツ行くのもずっと前から楽しみにしてるし、家族も待ってるし…少しでも行けなくなるようなリスクを回避したかったんだ。」
「そっか…。
考えてくれてありがとう。
でも僕、大丈夫だよ…。
…凪くんとはいつも対等でいたいんだ。
そんなこと言ってもエッチの時は僕ばっかり余裕ないんだけど…でも凪くんも同じくらいになって求めて欲しかった。」
「ごめん…。
そう、だよな…。
…する?」
「うん。したい…。
でも…疲れた?
眠い?」
「疲れてるし、眠いけど、それより今は紅葉に触れたい。」
2人は微笑み合い、キスを交わした。
ともだちにシェアしよう!

