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【スエットと思いやりと…】(3)※R18
「紅葉…っ、平気?」
「ん…っ!」
一瞬顔を歪めた紅葉だったが、ゆっくり深呼吸をすると腕を伸ばして凪を見つめた。
凪は応えるように少し身を屈めて紅葉を抱き締める。
「は、ぁ…っ、全部挿った…?」
あれから…
2人は駆け上がるように余計なことは何も考えずに互いを求め合って身体を繋げた。
「あぁ…。
…動いたらキツイ?」
狭い紅葉の中に自身を埋めた凪は、その圧と快感に耐えながら腕の中の紅葉を気にかける。
「い、よ…っ。
ん、でもすぐイッちゃいそう…」
「え…?
ちょっと頑張って?
お前もう2回イッてるからな?(苦笑)」
ここまできて紅葉に寝落ちされたら身も蓋もないと凪は苦笑してからゆっくり律動を開始した。
「あっ、だって…!
アッ、んんーっ!
は、ぁ…、ッ!
…気持ちイイ…っ!
あ…、凪…っ! 」
シーツの上を泳ぐように動く紅葉の手足。
凪は紅葉が慣れるのを待ってからその細くて長い脚を掴まえると、両腕で抱え上げ紅葉の最奥を攻める。
「ハ…ッ…!
…暑っ!」
気付けば凪の髪も身体も真冬とは思えない程に汗をかいていた。
エアコンの温度を下げつつ、指先で優しく紅葉の額を拭う凪。
紅葉も生理的な涙と汗でぐちゃぐちゃになった顔で甘い声をあげる。
「あぁ…っ、ん、ん!」
「紅葉、こっちきて。
ちょっと…交代。」
「ひっ、ぃあっ!」
凪の上に乗せられた紅葉は中の凪の角度が変わった衝撃で息を詰めた。
「も…うっ!
ぁ、や…っ!
恥ずかしいよ…っ!」
自身の上に跨がった紅葉の膝を立てさせて満足そうな凪。
「まだそんなの気になる余裕あった?」
「あっ!や…ぁあっ!
ダメー!」
下から突かれて体勢を崩す紅葉を凪の右腕が支える。
「じゃあ紅葉が動いて?」
「!
ん…っ!
…っ!は、ぁ、…っ
…気持ちい?」
「ん。いーよ。
大丈夫そうなら続けて?」
「うん…っ!
頑張るね…!」
真面目に答える紅葉が可笑しくも愛しくて、凪は優しいキスを贈る。
「んんっ!」
瞬間、紅葉の身体が震え、中の締め付けもキツくなった。
「っと…。
マジか…キスでイくとかどんだけ可愛いんだよ…(苦笑)
しょうがねーな…(苦笑)」
本当はもう少し騎乗位を楽しみたかったのだが、凪はそう呟くと力の抜けた紅葉を再び押し倒す。
「や…っ!
今、触っちゃダメ…!
イったから…!
あっ!あぁー!ん、凪…っ!」
「紅葉…っ!」
加速する一方のジェットコースターのように2人は上り詰めていった…。
「あー…ヤベぇ…風呂…と
シーツ洗わねーと…!(苦笑)」
2人の汗や体液でベタベタな上に紅葉の吹いた潮でびしょびしょだ。
出国前に一番増やしてはいけない家事を増やしてしまったのは凪の誤算だった。
だが、もう動く気力がなくて、とりあえずバスタオルを敷いて眠ることにする。
「なぎ…っ
す、きぃ…。
ふぁ…。寝よ…?」
「紅葉…、俺も好きだよ。
なんつーか…ありがとな。
おやすみ…。」
床には脱ぎ捨てたスエットや下着。
2人は眠気が限界でそれを身につける余裕もなく、素肌のまま抱き合って眠りについた。
翌朝…というか数時間後はもうバタバタだった。
凪はさすがに疲れの残る身体をなんとか起こすとまず軽く水洗いしたシーツやタオル類を洗濯機に放り込んで、半分寝たままの紅葉をお風呂に入れる。
傷がないのを確認して保湿と着替えを手伝いドライヤー。時間はないが外は寒いのできちんと乾かす。
一方、自らの身支度は適当に済ませてしまう…。
「とりあえず水置いとくから飲んで。」
「ふぁい…。
んん。平ちゃんあったかーい!
梅ちゃんもおいでー。」
無邪気に愛犬たちと戯れる紅葉と時計を見ながら焦る凪。
ピンポーン
「あー、ヤベ。
はいはい…!
ごめん、上がってちょっと待ってて?(苦笑)
今からみなの家にこいつら(愛犬)と車預けてくるから先に紅葉乗せてキャリーケース詰んでみなの家の方来れる?連絡するから拾って。
あー、キャリー!今持ってくる!
あ、パスポートと財布…紅葉ー!俺のスマホどこだっけ?」
「スゲー焦ってんね?(苦笑)
珍し。髪もセットしてねーし(笑)
とりあえずまだ時間あるし、大丈夫だって。」
「悪いね…(苦笑)」
「凪くんごめん…。
力入らなくて開かない…!」
バタバタしている凪に紅葉が申し訳なさそうにペットボトルを差し出した。
「……ほれ。
平気?熱ないよな?」
「うん。大丈夫ー。」
相当ダルそうな紅葉の様子にいろいろ察したゆーじは半目だ。
「可愛い…、ふわふわ。」
「平ちゃん、リード持ってきてくれる?」
紅葉の指示にちゃんとリードを咥えて持ってくる平九郎。ゆーじの付き合いたての恋人である要はスゴい!スゴい!と大喜びだ。
要が2人について何も気付かず犬を撫でているのがゆーじの救いだった。
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