192 / 204
【お泊まり会】(2) ※R18
「なんか思い出してるねぇ。」
紅葉の表情を見てユキと顔を見合わせた要は頷き「なんかこっちが照れてくる…」と困惑していた。
「よく話題になるけど、週何回とか決めてるの?僕は体調によるんだけど、主治医と相談して今は多くても週2までで1度にたくさん回数しないって約束してるよ。
前にモニターつけたまましちゃってさ…!あ、僕ペースメーカーつけてるから定期的に心電図測ってるんだ。」
まだ持病のことを知らない要にサラっと説明する雪人。
「そうなんだ…!
…えっと、しても大丈夫なの?」
「無理しなければ大丈夫だよー。
ホントにツラい時の合図も決めてるし。
でもSEXはどうしても興奮して心拍数上がるでしょ?診察でデータ見たお母さんがすごい心配して…!
…説明するハメになったよ(苦笑)」
真面目だが、入院生活が長かったせいかどこか天然な雪人の発言に驚く紅葉。
「えっ?!
そっか…、そうなんだ…っ!
それはさすがに恥ずかしかったよね!
えっと…でもちゃんと先生に聞いて守ってて偉いね!」
なんだか不思議な会話をしつつ、紅葉はお酒を空けていく。
「僕たちは…特に決めてなくて…
その…、お休みの前の日はしたり、LIVEの前とかは控えたり…」
「仕事に影響しないようにしてるんだね!
ここ最近は?」
少し酔っている紅葉を見て、雪人は今が聞き出すチャンスだと問いかけた。
要は聞いていいものなのかとハラハラしながら見守っている。
「…え?
んと……、週3、4…くらいかな?
あっ、毎回最後までしてるわけじゃないよ?でも最近は1回で終わらなくて…だいたい2~3回とかはしちゃう…!
凪くん…優しいけど、LIVEの後は興奮してるから…ちょっと余裕ないっていうか、激しい感じになってね…。ちょっとキツイんだけど、そんな凪くんもカッコ良くて男らしくて好き…っ!」
「…わぁー!ラブラブだぁーっ!」
「ラブラブ…!」
「葵はLIVE後、疲れて爆睡しちゃうよー!」
チラりと雪人から視線を送られた要は少し緊張した様子だ。
「せっかくのお泊まり会だよー!
要くんも思いきって話してみたいこととかない?」
「ユキくん!待って!無理に聞き出すのはダメだよ!お泊まり会は楽しくないと!
要くん、話さなくても大丈夫だよ!」
紅葉は優しく諭し、雪人も謝る。
「ごめんね。
初めてのお泊まり会が楽しくてつい…。
ネットで調べて…恋話とか暴露大会ってあったから…。」
「あ…、大丈夫、だよ。
僕も、楽しいし。
…お泊まり会なんてこどもの時以来…!」
「そっかー!
大人になっても楽しいね!
またやろう!」
紅葉の笑顔に安心したのか、要はふと思い出して2人に告げた。
「あ…!そうだ!
僕、バイト決まったよ!
お花屋さん…!」
「ホントっ?
スゴいね!良かったね!」
「おめでとうー!
どこら辺ー?
買いに行くよ!」
「駅から少し離れてて小さいお店なんだけど…学校とか会社の近くでね。
卒業式とか入学式、入社式でもお花配達したり、現地で飾るんだって。」
「お花屋さんってそういうお仕事もあるんだね!」
「ねー、素敵だね!」
「うん…!
あと…LIVEでも、お花飾ってるでしょ?
スポンサーさんとかお友達から届いたの…!
いつかそういうのも出来るようになりたいんだ。」
「そしたらいつかLIT Jのお花を要くんが飾ったり届けたりするかもだね!」
「そうなったらすごく素敵だね。」
夢を語る要。
紅葉と雪人がそう言うと、要は本当に嬉しそうな笑顔で答えた。
「…うん…っ!
頑張る…!」
ともだちにシェアしよう!

