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第3話 現実すぎて

暫くそうしていたが、 愛しさが溢れすぎてついに我慢できなくなってしまった。 起きないで、そんな祈りを込めながら恐々と手を伸ばした。 そっとその唇に触れ、人差し指で撫でると その柔らかな感触と荒れた唇に身体が昂り呼吸が早くなる。 「..はぁっ....」 乱れた呼吸を繰り返しながらも彼の唇の隙間に指を這わせた。 ゆっくりと口を押しあけると、彼の呼吸が溢れてきて 白い歯を撫でるようになぞった。 「....ん...」 少年は身じろぎをし、長い睫毛を揺らしたが起きる気配はない。 万引きのような背徳感とその美しい姿を見せつけられているのとで 恭介の興奮は最高潮に達してしまった。 「雛瀬先輩…っ」 どうか起きないで起きないで。 そんな願いを頭の中で繰り返しながらも、 そっと彼の唇に口付けた。 やっとやっとやっと、今、触れている。 夢でも妄想でもなく現実で! 逸る気持ちを抑えきれず無抵抗の口腔へと舌を入れた。 先輩の歯、先輩の舌。 余すところなく味わいたくて、 彼の頭を持ち上げながら舐めて吸ってを繰り返す。 「...ふ....、ん..」 少年は苦しそうだったが、目を覚ます気配なく 深く深く口腔を犯しながら彼の制服のボタンを片手で外していった。

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