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第5話 懇願

少年は顔を真っ赤にして、いたたまれなさそうに首を振った。 「や...、やめ...て」 「そんな顔..されると、止まれないです...」 抜き挿しを繰り返しながら彼に顔を近付け、 頬に口付けた。 しょっぱい味がして、彼が泣いているのがわかる。 長い前髪をかきあげて、じっとその顔を凝視した。 黒い瞳が潤んでいて、真っ暗な夜の海のような美しさに恭介はいよいよ自分の熱を制御できなくなる。 彼の身体から指を引き抜き、自分のベルトに手をかけた。 「..ッ、いや...っ..やだ....」 小さな声で抵抗されるが、その声も甘く脳を痺れさせる。 恭介の中心は今にも弾けそうに熱を持っていた。 先輩の中に入りたい、一つになりたい。 そんな欲望に支配され、狭いその入り口へと宛てがった。 「....っ、痛....ッ」 「力抜いてください」 「..そん...な..、できな...っ」 中々侵入を許してはくれないが、構う事なく先へ進もうとした。 ボロボロ泣きながら彼は必死に首を振る。 「お願い、お願い雛瀬先輩....」 恭介はそう懇願しながら彼の唇を奪った。 片手で彼の自身を扱きながら舌を絡めると、足は徐々に開いていく。 「...ん、ん..う....、ん"....」 唾液がトロトロと口の端から溢れ、溺れそうになる寸前で恭介は口を離した。 少年はどこかぐったりとしていて、呆然とこちらを見上げている。 その隙に恭介は一気に欲望を突き立てた。 「.....ッ、ぁあ」 悲痛な叫び声をあげ少年は仰け反った。 恭介は彼の腰を支え逃げてしまわないように捕まえる。 「雛瀬先輩のなか...なかに..俺が...」 彼の熱を感じる度に、嬉しくて涙が溢れてしまう。 しかし彼は怯えたように唇を噛んでいた。 「...っ、ぐ..、う...」 「ごめんね、痛いですよね、でも雛瀬先輩、俺嬉しい、 やっと先輩と一つになれて、すごく嬉しいです」 彼の頬を撫でながら、徐々に腰を揺らしていく。 少年はしゃくりあげながら泣いていて、恭介も泣きながら律動を早めていった。

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