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第31話 攻撃的な蝶

「アンタ、なんなの?」 「恭介につきまとってどういうつもり?」 女子生徒達に詰め寄られ、硝子は困り果ててしまった どうやら伊積恭介の関係者らしい。 やはり彼は本来ならば硝子とは 口も聞けないほど別世界の住民なのだと思い知らされ、硝子は唇を噛んだ。 「なんか言えっつーの」 「マジメガネキモいんですけど」 「....すみません..」 「は?すみません?ウケるー」 「そう思うなら恭介と喋んなし!」 女子生徒の1人が腕を振り上げ、硝子は思わず目をぎゅっと閉じた。 確かにその通りだ。 自分なんかが、何故彼と一緒に居られるのか、自分ですら分からない。 彼女達が怒るのも無理もない。 眼鏡が叩き落とされ、 カシャンと音を立て階段から転げ落ちて言った。 女子生徒達は一斉に爆笑し始める。 「おいブス何か言えよ」 「.....っ」 1人の女子生徒に胸倉を掴まれ、硝子は息を飲んだ。 彼女の顔の上にバラバラと音を立てて蝶の羽のようなものが降り注いだ。 千切れた蝶の羽がバラバラと、音を立てて、雪崩れ込み 硝子は激しい頭痛に襲われる。 これは罰なのだ。自分なんかが彼の優しさを受けていたから。 「...あ...」 蝶の羽がナイフのように尖ってその切っ先が全てこちらを向いていた。 硝子は思わず恐怖して、目を見開いてしまった。

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