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第36話 触りたい

暫く二人は見つめあったが、 やがて恭介は再び硝子の腰に抱きついた。 「おれ、雛瀬先輩の、そばにいたいです...」 なんでそんなこと言うんだろう。 子どものような仕草で呟く恭介に、硝子は戸惑っていた。 なぜ彼はそこまで自分と居たいというのだろう。 硝子は彼の頭を撫でてやりながら、 側に居たって何の得にもならないのに、と思った。 「……雛瀬先輩いい匂いする」 「...え」 突然彼が予想もしないことを呟き、思わず硝子は逃げそうになった。 しかし彼の顔が近付いて、ちゅ、と唇が唇に触れ 彼に抱きすくめられ身動きが取れなくなってしまう。 「っ、ん...」 口付けは深くなっていく。 呼吸の仕方を模索していると彼の舌が口腔に侵入してきて、逃げる間も無く口の中を犯される。 「..、っ..は、....んん...」 彼の舌が口腔を這いずる度にびくりと身体が反応してしまう。 自分の体を支える事が出来ず、後ろに倒れてしまいそうで 必死に彼にしがみ付いていた。 「...ン、...っ...は..ぁ」 唾液が溢れてしまって溺れそうだった。 彼の身体が熱くて、どきどきと心臓がうるさく鳴く。 「ごめん雛瀬先輩...触りたい..」 首に口付けられ、シャツのボタンを外されていく。

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