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第38話 熱い
「なん..で、いずみくん...だ、め...ぇ」
人に見せるどころか触れられた事すらないその場所にむしゃぶりつかれ、
どうにかなってしまいそうなほど恥ずかしくて硝子は懇願し続けた。
しかし彼は更にそこに指を加え、
唾液と絡めながら抜き挿しを繰り返される。
「すごい、雛瀬先輩のここぐちゃぐちゃでエロい...」
「..っ、い...、は..ッ」
痛いはずなのに、妙な感覚で身体が思わぬ反応をしてしまう。
指が増やされ、掻き回されるように指を曲げられると
腰が跳ねて内腿が切ない悲鳴をあげる。
恭介が体を起こし、指を動かしながら口付けてきた。
「あは..雛瀬先輩泣いてる....」
彼はどこか嬉しそうに笑うと、硝子の頬に口付けて舌で涙をすくってくる。
「先輩泣かせるの、この世で俺だけだといいのになぁ」
恭介はそんな事を呟きながら、硝子の唇をまた奪った。
「っ..ん、ぅ...ふ...」
身体が熱くて頭に靄がかかったようにぼんやりとした思考の中では恭介の言葉の意味がわからない。
ただどうしようもない熱を持て余してしまっているから、
硝子は彼にしがみ付いて、それに気付いたのか恭介も支えるように抱きしめてくれた。
「先輩...いれたい、けど、今何も持ってないからな...」
頭がぼやぼやして、未だ達することができないもどかしさに硝子は短く呼吸を繰り返しながら何かを言っている恭介を見上げた。
熱い。
そんなことを思ってしまいながらも、
また彼の瞳が潤んでいるのを見つけてしまい硝子は手を伸ばしてその頬に触れた。
「は..、...いずみくん....」
俺なんかのために泣いてくれる人。
そんな彼が少し可哀想にも思えるし、なぜかこうして見ていると
今までに感じたことのない気持ちになってしまう。
胸がざわついて、熱くて、
焦りにも似た、何か。
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