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第39話 呼吸
ぼうっと彼の顔を見つめていると、
中に入っていた指が僅かに動きその微妙な刺激に腰が浮いてしまう。
「..ふ、ぁ..っ、」
思わず声が溢れてしまうと、
恭介は目を見開き指を引き抜いた。
「...っ今のは、雛瀬先輩、が悪い」
掠れた声で恭介が呟いた。
ぼけっとしている間に先程まで指が入っていた入り口に熱い何かが当たる。
「...え、あ..っ...ぁ、あ..ッ」
ゆっくりと、身体を裂いて入ってくる彼の熱に
ぞくぞくと甘い痺れが全身に走る。
「先輩のなか、熱い...」
耳元で恭介が低い声を出して、
その声にきゅっと胸や脳まで甘く痺れてしまう。
徐々に律動が始まり、硝子は落ちないように必死に恭介の首にしがみ付いていた。
「ひ、う...っ..ん...」
「雛瀬先輩、雛瀬先輩....」
揺さぶられる最中にも恭介は首や胸に口付けてくる。
触れられた所が蕩けていくようだった。
恭介に膝を抱えられ、ぎゅっと抱き締められるように深く欲望が突き刺さった。
「い、ぁ、あ...ッ!」
硝子は思わず目を見開き仰け反った。
感じたことのない、快楽の海が押し寄せてきて視界がチカチカと光る。
「あ..すご...奥まで、入ってる..」
「っ..ひ、...ァ...ッあ」
そのまま突き上げられ、身体が言うことを聞かず
怖くて力を入れて彼にしがみ付いてしまう。
ゆっくり、ゆっくりと動かされ、甘く擦れて涙と唾液でぐちゃぐちゃになりながら硝子は揺さぶられていた。
「雛瀬先輩、すき..、好き..っ」
段々と律動は早まり、硝子は声も出せないほど震えていた。
滲んだ視界が乱雑に揺れ、確かなものは腕の中にある体温と
彼の呼吸。
「すき、すき、せんぱい」
泣いているような恭介の声が耳の奥に響き渡る。
いずみくん泣かないで..。
欲望に掻き回されながら、硝子は無意識のうちに彼の頭を撫でていた。
「せんぱい...っ」
「..っ、ん"..う...、ぁあ...ッ」
律動の途中で欲望が身体から抜け、
生暖かい液体を腹の上に感じた。
その瞬間硝子も達してしまい、暫く背中を仰け反らせびくびくと痙攣していた。
「..は..、は...ーっ...」
二人とも乱れた呼吸を繰り返しながら、
お互いの瞳を見つめあった。
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