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第45話 ノート

「ん?これ雛瀬のノート?」 「え、あっ」 硝子は開きっぱなしにしていたノートを指摘され慌てて隠そうとした。 が、その前に茶々に取られてしまった。 何かからかわれるだろうかと焦るが取り返す方法がわからない。 茶々はパラパラとノートをめくり、 やがてこちらをちらりと見てきた。 色素の薄い茶色っぽいつり目と左目の泣き黒子が相まって 厳しそうな印象を受けてしまい、硝子は思わず唇を噛んだ。 「超文字上手じゃん!?なんかやってた?」 「....え?」 「すげー印刷されてるみたいー。羨まし」 茶々はキラキラした瞳でノートと硝子を見比べている。 なぜか恥ずかしくて、どうにかしてノートを取り返せないかとわたわたしていると茶々はパタンとノートを閉じてこちらに返してきた。 そして腰を折って硝子に顔を近付けてくる。 「雛瀬に頼みたい仕事あるんだけど」 「....え、仕事..?」 「後でまた話そ」 そう言って彼は硝子の肩に触れると再びプリントを配り始めてしまった。 一体なんだというのか、 硝子は暫く固まってしまって その間にチャイムがなってしまった。

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