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第49話 嵐の後

図書室内はしんと静まりかえり、 嵐のような茶々の破天荒ぶりに硝子はぽかんとなってしまって 恭介は悔しそうに手を握り締めていたが 硝子の肩に触れ顔を近付けてくる。 「雛瀬先輩、大丈夫ですか!?」 「え...ああ..うん..ちょっとビックリしただけ」 恭介もよく喋る人だと思っていたが茶々はそれ以上であった。 未だに整理ができずに硝子がプチ混乱を起こしている間にも恭介は、はぁあ、と息を吐いてしゃがみ込んだ。 「よかったぁ....また先輩が..泣かされたらと思ったら俺...」 そう呟く彼が追いかけて来てくれた事に気付く。 「あ、ありがとう..いずみくん。俺は平気だよ」 「本当ですか?」 「..うん、大丈夫だよ..」 そう声をかけると恭介は顔を上げ、 じとっとこちらを見てくる。 「じゃあちゅーしてください」 「....へ?」 「俺こう見えて嫉妬深いんです」 何故嫉妬するのかはわからなかったが、 折角追いかけて来てくれた彼のためにしてあげなければと思うのだが、 とても恥ずかしい。 硝子は散々迷いながらもおそるおそる彼の額に唇を近付け、ちゅ、と触れた。 こんなことして怒られないだろうか、と怖くなってすぐ離れる。 恭介は固まっていた。 「す..すみません..」 謝るが恭介はカタカタと震える手で自分の額に触れ、そのまま床に両手をついた。 「で、でこちゅう..かわい..しぬ...」 彼は暫く鼻から血を滴らせていた。

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