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第68話 休む日
学校に行く途中に彼に連行されたことを思い出し、今すぐ行かなければと思うのだが
身体が鉛のように重くて動かせなくて、硝子はひたすら泣きながら起き上がる努力をした。
「行かなきゃ...学校..」
「行かなくていい、ちゃんと休むって連絡しときましたから」
「...でも..っ」
「こんな状態で行けるわけないだろ!自分の身体をもっと大事にしろよ!」
大声で怒られ、硝子はびくりと身体を強張らせた。
恭介はすぐにしまったという顔をして、
硝子の身体を押しつけるようにベッドに横たえた。
「ごめん...大声出して、でも本当に、休まないとダメですよ。もっと悪くなってしまいます」
恭介は苦しそうに呟き硝子の頬を拭ってくれた。
そんな顔しないでいずみくん。
彼に迷惑をかけている申し訳なさにとても顔なんか見れなくて硝子はぎゅっと目を閉じた。
「........すみません」
何をしても迷惑しかかけられない。
悲しくて歯痒くて、硝子はまた涙を溢れさせてしまう。
「謝らないで下さい。先輩が元気になるのが優先です」
なんでこんな風に優しくしてくれるんだろう。
恭介は暫く頭を撫でてくれていたが、やがて硝子が落ち着くと立ち上がった。
「お腹すいたでしょ、おかゆ作ったんで持ってきますね」
そう言って彼は、ぼやけた視界の中から消えていった。
おかゆってなんだろう..。
どうでもいいことを考えながらも
硝子は手の甲で目をこすって泣き止む努力をした。
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