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第79話 …の間
「部費を自分達で稼いでるんですう...!
印刷代以外には使ってません。」
「あのねえ」
「じゃあ学校からお金出してよ!何事もただじゃあないんだぞー!」
「俺たちはただ働きな訳ですが?」
ぎゃあぎゃあと相変わらずの賑やかな図書室内。
硝子はそんな空間にまだ居られることが幸せで、
最後の新聞の文字を書きながら会話を聞いていた。
「とにかく!じゃあ火曜日!火曜日に図書室集合ね。
その日1日で新聞を作りたいから!」
部長はどんと机を叩いて叫んだ。
「まあ図書室は土日以外空いてるから、いつでも使ってちょうだい」
どうせ誰もこないし、と環先生は肩を竦めて笑った。
かくして新聞部は夏休みの間も活動することになり
当然手伝わされている2人も週に一度は学校に来なければならなくなってしまった。
とはいえ硝子は夏休みは課題以外まったくする事もなく
いつも困っていたのでちょうどよかった。
恭介は帰り際、
「...お弁当作ってきますね」
と言った。
彼も来てくれるようで、嬉しい気持ちになってしまう硝子であった。
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