80 / 151

第79話 …の間

「部費を自分達で稼いでるんですう...! 印刷代以外には使ってません。」 「あのねえ」 「じゃあ学校からお金出してよ!何事もただじゃあないんだぞー!」 「俺たちはただ働きな訳ですが?」 ぎゃあぎゃあと相変わらずの賑やかな図書室内。 硝子はそんな空間にまだ居られることが幸せで、 最後の新聞の文字を書きながら会話を聞いていた。 「とにかく!じゃあ火曜日!火曜日に図書室集合ね。 その日1日で新聞を作りたいから!」 部長はどんと机を叩いて叫んだ。 「まあ図書室は土日以外空いてるから、いつでも使ってちょうだい」 どうせ誰もこないし、と環先生は肩を竦めて笑った。 かくして新聞部は夏休みの間も活動することになり 当然手伝わされている2人も週に一度は学校に来なければならなくなってしまった。 とはいえ硝子は夏休みは課題以外まったくする事もなく いつも困っていたのでちょうどよかった。 恭介は帰り際、 「...お弁当作ってきますね」 と言った。 彼も来てくれるようで、嬉しい気持ちになってしまう硝子であった。

ともだちにシェアしよう!