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第91話 突撃昼ごはん
暫く2人は黙って麺を啜っていると、
ガラガラと目の前の窓が開く。
「やっほう」
茶々が片手をあげながら挨拶してくる。
恭介は不機嫌そうなため息を零した。
彼は2人を観察すると、苦笑した。
「ええ..今度は冷やし中華始めたの?
いずみんコックさんにでもなるつもり?」
「俺は雛瀬先輩専用です」
恭介の返しに茶々は愉快そうに笑っている。
硝子は何も言えずになぜか恥ずかしく感じるのだった。
「あ、そうそう。この前のできたよーひなっちゃん!
学校にも貼ろうかと思ってね」
茶々はそう言いながら何かの紙を見せてきた。
それはこの前気が散りながらもなんとか完成させたポスターだった。
「夏祭り?」
「そ。来週商店街であるのさー」
浴衣姿の男女が手を繋いでいるイラストが描かれ
自分の文字が並んでいる様はなんだか申し訳ない気持ちになってしまう。
夏祭りになんて行ったこともない人間がポスターなんて書いてしまってよかったのだろうか..。
「でさお礼にもらったから2人にもー」
茶々はそう行って封筒を取り出してきた。
お礼?と硝子が不思議に思っていると
まさか金じゃないだろうな...、と恭介は苦笑している。
「焼き鳥券かき氷券わたあめ券金魚すくい券!
夏祭りフルコースセット〜」
やけに明るい声で叫んだ茶々だったが、図書室はシーンとした。
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