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第124話 罪の感情

いずみくん、いずみくん、いずみくん。 「....いわ...ないで.....」 硝子は思わず彼の服に掴みかかった。 何も出来なくて、いつも貰ってばかりで だからせめて、自分の気持ちから彼を守るくらいは。 「父にも母にも、...言わないでください....っ、」 「硝子..」 「俺が、勝手に好きになったんです....っ、俺が悪いから...! もう絶対会わないし、..っ声も、かけない...から...っ」 「お、落ち着いて」 「俺が、本当は、存在してちゃいけない人間だって知らないんです…! だから、だから…いずみくんは、悪くない……っ悪くない…から…」 彼の枷には、仇にはなりたくない。 こんな自分を好きだと言ってくれた、大切だと言ってくれた。 「お願いします..、誰、にも....っ」 ずるずると倒れ込むように懇願した。 今以上に、酷い罰を受ける事になろうとも この気持ちは偽ることが、どうしても出来ないから。 硝子は泣きながら、彼の服をぎゅっと握り締め続けた。 「....言わないよ....」 真一は静かにそう言いながらそっと手を握り返してくる。 ただひたすら、痛くて苦しくて、怖かった。 彼が大切なのに、自分のせいで傷付けてしまったり嫌な思いをさせてしまうのではないか、と そんな恐怖で、身体が裂けてしまいそうに痛かった。 忘れたくないのに。 この胸に抱えているだけで罪なのでしょうか。

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