147 / 151

第146話 捧げる

体が密着しているだけで達してしまいそうに体は熱を持ち 呼吸は甘く乱れていく。 さすがに息苦しくなって唇を離すと、硝子は酸欠でふらふらしながら恭介の胸に顔を埋めてくる。 「は...、はぁ....」 呼吸を整えている硝子を抱えて立ち上がり、ベッドへと向かう。 彼は大人しくしていて、ベッドに横たえると滲んだ瞳でじっと見上げてくる。 眼鏡をそっと外して、彼の瞼に口付けた。 「先輩..、先輩」 何度呼んでも足りないくらい。 硝子はそっと頭を撫でてくれて、小さく微笑んだ。 こんなに綺麗な人が自分のことを好きだと言ってくれて もう、絶対に手離せなくなる。 彼の手に口付けて、指先を食んだ。 「俺....、先輩のために生きます 俺の全部先輩に捧げます、だから...俺に言ってください 頼りないかもしれないけど、何にもできないかもしれないけど… 俺に預けてください…重いと思うもの全部、一緒に背負わせてください…」 泣きながら懇願され、硝子は胸がぎゅっと締め付けられるようだった。 こんな風に彼も苦しめていたのかと思うと とても申し訳なく思うのだけれど。 「...うん....ありがとういずみくん..」 硝子は静かに頷いて、彼の頬を撫でた。 「雛瀬先輩...っ」 恭介は、発情したように荒れた呼吸を繰り返しながら震える指先で硝子の制服に触れた。 ボタンを外して、白い肌に口付ける。 強欲な感情でできた赤い痕が彼の肌に咲いて、 ただそれをつけさせてくれることがひたすら喜びだった。

ともだちにシェアしよう!