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第149話 幸せな涙

「だ…大丈夫だよ、俺も..いずみくんのこと大好きだから」 硝子はそう言いながら恭介の頭を撫でてきて 思わずじわっと視界が滲んで、涙が溢れてしまう。 彼の優しい指先に全てを許してもらってるみたいで。 「雛瀬先輩...」 顔を上げると、硝子はどこか嬉しそうに笑った。 「ふふ、俺たち泣いてばっかりだね」 「ん..嬉しくて、幸せで泣いちゃうんです」 恭介はそう言いながら彼の頬に口付けた。 涙を唇ですくいとって、瞼にキスして やがて唇にも触れた。 ああ。このまま時が止まってしまえばいいのに。 そんなことを思うけど、こうしてくっついているとすぐに欲望は張り詰めていく。 「先輩..つながりたい...」 「..うん」 そっと身体を離して、彼の足を広げさせた。 恥ずかしそうに眉根を寄せながらも受け入れようとしてくれる硝子に 恭介はすっかり復活しきってしまった中心を入り口にあてがった。 「..っ、は...、ぁ...」 楔をゆっくりと体内へと挿入し、奥へと進んだ。 今までよりもすんなりと根元まで飲み込まれると、硝子の腕が首の後ろに回り2人は自然とキスを交わした。 舌を絡めると内部がきゅううっと欲望を締め付けて 思わず腰が動いてしまう。 「ん..、っ....あ、ぁ..」 じわじわと動かすと硝子の腰ももどかしそうに浮く。 もっと欲しい、もっと深く。 そんな貪欲な思考が働いて、だんだんスピードが加速していく。 「雛瀬先輩...、先輩..っ」 硝子の中で彼に締め付けられて自分の欲望が硬くなっていくのがわかった。 彼の腰を持ち上げるようにして深く突き、中を搔きまわす。 「あ..っ、あ...、ぁ...ーっ」 先ほど指でいじっていた場所を先端で擦ると、 ガクガクと彼の顎が震え、唾液が溢れる。 「先輩..?ここいい?気持ちい?」 「ア、..ぁ、ん…っ、いずみ..くん..っ」 逃げてしまいそうに反る背中に腕を回し 執拗にそこを突き上げると、引きちぎられそうな程締め付けられて 我慢出来ずに激しく律動してしまう。 「ひ、..あ、ぁああ、..っ」 意識を全て持っていかれそうなほどの快楽に抗えず 恭介は彼の首に顔を埋めながら欲望で抉り続けた。 「.....せんぱい..、あいしてる..」 愛してる、愛してる。 うわ言のように呟きながら、強く彼を抱きしめた。 俺はあなたを守りたいんです、雛瀬先輩....。 あなたがもう、何も隠さなくていいように。
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