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第11話
「つ、続き…///」
キスの続きって何だろう…。
体に触れる事…?
それとも、もっと先…?
本條さんと仲良くなれるのは嬉しいけど、急展開すぎて戸惑ってしまう。
「あぁ、でもどうしようかな。本当は今すぐにでも湊世 を抱いて俺のものにしてしまいたい。でも…ゆっくり関係を築いていきたいとも思う」
照れたような本條さんの表情。
『抱く』ってセックスの事だよね…。
本條 さん、俺とセックスしたいって思ってくれてるんだ///
好きな人に求められるのはすごく嬉しい。
俺も本條さんのものにして欲しい。
でも…どうしよう…。
「湊世はどう思ってる?2人の事だから2人で決めよう」
思ってる事、正直に教えて…と、頰を撫でられる。
自己主張が苦手で、割と受け身がちな俺。
『〇〇しよう。それでいいよね?』って強めに言われたらうなずいてしまうタイプ。
思い通りにするのにうってつけの俺。
本條さんは言葉にできない俺の気持ちを大切にしてくれる。
そんな俺の言葉を待ってくれてる…。
「…俺も迷ってます…。憧れてる紘斗 さんに今すぐ抱かれたいって思う自分と、まだ心の準備ができてないから待って欲しいって思う自分がいて…。紘斗さんと恋人になれただけで嬉しくて、まだ頭がふわふわしてて実感がなくて…」
結局、自分がどうしたいかをハッキリ言えなかったけど、本條さんが好きっていう気持ちだけは伝えたい。
恥ずかしさを堪えながら背伸びをして、背の高い本條さんの頰にチュッと口づけた。
「湊世…何を…///」
本條さん…耳まで真っ赤。
俺がキス…したから…?
「湊世には敵わないな…」
嬉しそうにため息をつく本條さん。
こんなに幸せそうにため息をつく人、初めて見た気がする。
俺が何かした事に対して、こんなに喜んでくれたのは家族以外初めてかも…。
「湊世が俺に抱かれたいって思ってくれる事も、こうやって気持ちを伝えてくれるのも嬉しいよ。…今夜は手を繋いでゆっくり過ごそうか」
「はい…。俺もそうしたいです///」
今夜は本條さんの腕の中にいて、本條さんの恋人にしてもらえた奇跡を実感したい。
本條さんと手を繋いで、温もりを独り占めしたい。
もっと本條さんの話が聞きたい。
甘くて優しい声で何度も名前を呼ばれたい…。
「今夜…このまま泊まっていってもいい?」
「…っ…はい///ぜひ…!」
俺は急いで返事をした。
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