11 / 29

第11話

「つ、続き…///」 キスの続きって何だろう…。 体に触れる事…? それとも、もっと先…? 本條さんと仲良くなれるのは嬉しいけど、急展開すぎて戸惑ってしまう。 「あぁ、でもどうしようかな。本当は今すぐにでも湊世(みなせ)を抱いて俺のものにしてしまいたい。でも…ゆっくり関係を築いていきたいとも思う」 照れたような本條さんの表情。 『抱く』ってセックスの事だよね…。 本條(ほんじょう)さん、俺とセックスしたいって思ってくれてるんだ/// 好きな人に求められるのはすごく嬉しい。 俺も本條さんのものにして欲しい。 でも…どうしよう…。 「湊世はどう思ってる?2人の事だから2人で決めよう」 思ってる事、正直に教えて…と、頰を撫でられる。 自己主張が苦手で、割と受け身がちな俺。 『〇〇しよう。それでいいよね?』って強めに言われたらうなずいてしまうタイプ。 思い通りにするのにうってつけの俺。 本條さんは言葉にできない俺の気持ちを大切にしてくれる。 そんな俺の言葉を待ってくれてる…。 「…俺も迷ってます…。憧れてる紘斗(ひろと)さんに今すぐ抱かれたいって思う自分と、まだ心の準備ができてないから待って欲しいって思う自分がいて…。紘斗さんと恋人になれただけで嬉しくて、まだ頭がふわふわしてて実感がなくて…」 結局、自分がどうしたいかをハッキリ言えなかったけど、本條さんが好きっていう気持ちだけは伝えたい。 恥ずかしさを堪えながら背伸びをして、背の高い本條さんの頰にチュッと口づけた。 「湊世…何を…///」 本條さん…耳まで真っ赤。 俺がキス…したから…? 「湊世には敵わないな…」 嬉しそうにため息をつく本條さん。 こんなに幸せそうにため息をつく人、初めて見た気がする。 俺が何かした事に対して、こんなに喜んでくれたのは家族以外初めてかも…。 「湊世が俺に抱かれたいって思ってくれる事も、こうやって気持ちを伝えてくれるのも嬉しいよ。…今夜は手を繋いでゆっくり過ごそうか」 「はい…。俺もそうしたいです///」 今夜は本條さんの腕の中にいて、本條さんの恋人にしてもらえた奇跡を実感したい。 本條さんと手を繋いで、温もりを独り占めしたい。 もっと本條さんの話が聞きたい。 甘くて優しい声で何度も名前を呼ばれたい…。 「今夜…このまま泊まっていってもいい?」 「…っ…はい///ぜひ…!」 俺は急いで返事をした。

ともだちにシェアしよう!