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第13話

「ただいま、湊世(みなせ)」 「お、おかえりなさい。紘斗(ひろと)さん…///」 一旦2軒隣りの家に戻った本條(ほんじょう)さんは、歯ブラシとパジャマ替わりのスウェットと、明日用のシャツ&ネクタイを持って帰ってきてくれた。 『ただいま』『おかえり』なんて本当の恋人みたい/// 嬉しい、嬉しい…! 一晩中ずっと本條さんの側にいられるなんて。 朝も一緒に会社に行けるなんて夢みたい。 交代でお風呂に入って、本條さんのラフなスウェット姿にドキドキして…。 カブ太一家におやすみを告げて俺のベッドへ。 シングルベッドだから2人で眠るには狭いし、仕事で疲れてる本條さんにはゆっくり休んで欲しい。 俺はソファーで眠るつもりでベッドをすすめた。 「俺は湊世と一緒に寝たいな」 「俺と一緒に…///」 いきなり同じベッドでなんて…///と、モジモジしていたら、手を引かれてぎゅっと抱き寄せられた。 「湊世は俺と一緒は嫌…?」 そんな聞き方ずるい。 本條さんと一緒が嫌な訳ないって知ってるくせに…。 「嫌じゃない…です///」 むしろ、喜んで…。 恥ずかしくて言えないけど。 「そう。じゃあ決まりだ」 本條さんは俺の腰に手を添えてベッドへ促す。 俺を壁側に寝かせると、ウキウキした様子で俺の隣に横になった。 あまりの手際のよさにドギマギしてしまう。 モテる本條さんは、きっと誰かをベッドへエスコートするのなんて朝飯前なんだろうな…。 「腕枕…していい?」 「は、はい…///」 緊張でカチコチになる俺をそっと抱き寄せた本條さんは、嬉しそうに腕枕をしてくれた。 長い腕ですっぽり包み込まれた俺の体。 本條さんの…顔が近い/// 立ってると身長差があるから少し見上げる感じになる本條さんの顔。 でも横になってる今は…すごく近い/// すぐにキスできてしまうほどの距離感。 頰も体も火照るのがわかる。 「湊世…」 「はい…、紘斗さん」 俺が返事をすると、本條さんの瞳が潤んだ。 「紘斗…さん?」 「あぁ、ごめん。ずっと好きだった湊世と同じベッドにいるなんて夢みたいだと思ったら、つい…」 宝物に触れるような手つきで頰を撫でられる。 大好きな人に甘い言葉をかけてもらって大切に扱われたら、嬉しくて幸せで俺まで涙ぐんでしまう。 「俺…幸せです…」 「俺もだよ、湊世」 背中に添えられた手に力がこもる。 俺からも本條さんに触れたくてぎゅっと抱きついた。 頰を伝う涙も、重なる唇も、触れ合う体も、絡み合う脚も…全部の温もりが愛おしくて大切で。 俺たちは寝落ちしてしまうまでずっと抱きしめ合ったり、キスをしたりしながら2人だけのとっておきの時間を過ごした…。

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