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第6話

 瞬は武蔵に、仕事と女性の扱い方のレクチャーをした。それを理由に瞬は何かと武蔵のアパートに入り浸った。レクチャーする傍ら、瞬の手料理を振る舞ってやる時もあり、会社でもプライベートでも武蔵と共に過ごす日々が増えていった。   瞬は図々しくも武蔵のアパートの合鍵までも所有していた。玄関先にあったのを勝手に拝借したのだ。武蔵は呆れはしていたが、返せとは言ってはこなかった為、武蔵がいなくとも勝手に上がり込んでいるのも日常茶飯事になっていた。 「そういや、持田さんと最近いい感じじゃねぇか」  その日もいつものように武蔵のアパートで宅飲みをしていた。 「あー、実は、今度食事に行く約束しました」  照れたように武蔵は頭を掻いている。  一瞬、瞬の胸がチクリと痛んだ気がした。 (なんか、案外良かったって思えないな。なんでだ? )  脱童貞への第一歩のはずなのに思いのほか、武蔵と持田との事を手放しに喜べない自分がいて、瞬自身が意外に思った。 「良かったじゃん。俺のレクチャー無駄にするなよな」  そう言うと武蔵は、はい……と、少し戸惑ったように苦笑を浮かべた。 「よし! 今日は最後のレクチャーだ」 少し酔いも回ってきた頃、瞬は突然そんな事を言い出した。 「なんですか?」  二人はソファに腰を下ろすと、並んで座った。 「俺を持田さんだと思って、口説いてみろよ」 「え⁈」  瞬の言葉に武蔵は目を丸くしている。 「武蔵きゅ〜ん、私、酔っちゃった♡」  瞬は裏声を発し、クネクネと体をクネらせ武蔵の逞しい胸に顔を寄せた。 「え? これ、もう始まってる感じですか?」 「始まってんだよ……武蔵きゅ〜ん♡何だか体が熱いの〜♡」  瞬はワイシャツのボタンを外し、わざと胸が武蔵に見えるように開けた。おそらく武蔵からは瞬の乳首が見え隠れしているだろう。  武蔵の顔を上目遣いで見ると、武蔵の顔つきが変わったように見えた。次の瞬間、瞬はソファに押し倒されていた。 「おわっ!」  勢い良く後ろに倒れたと思うと、武蔵の顔が目の前にあった。今までに見たことのない、雄の顔をしていた。  その顔を見た途端、瞬の心臓が大きく鳴り始めた。  武蔵の唇が耳元にきたと思うと、 「キス……してもイイですか?」  ボソリとそう囁くように言われた。  武蔵の低音の美声に、瞬の腰がズクリと疼いた。 (こ、こいつの声、ヤバい……)  瞬の返事を聞く前に、武蔵は瞬の唇を塞いだ。 「⁈」 (本当にしやがった……! )  しかも、しっかりと舌まで入れてきた。  武蔵の長い舌は生き物のように瞬の口内を犯した。逃げようとする瞬の舌を追い、捕まえたと思うと執拗に舌を絡めとられた。下顎を舐められた瞬間、下半身の熱が徐々に中心へと集まり始めている。 (や、ヤバイ……こいつ、キス超上手い……気持ちイイ……このままだと、勃っちまう……)  一旦唇が離れると、互いの突き出した舌先から銀色の糸が光った。  武蔵の唇が再び触れたと思うと、今度はシャツの裾から武蔵の右手が侵入し、瞬の乳首に触れた。 「もっと触っても?」 「――っ!」  また耳元で囁かれ、ぞくぞくと背中に電流が流れたような感覚が走った。

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