初めて抱かれた時は何もかもに緊張して、恥ずかしさと気持ち良さと未知の経験に頭の中が大騒ぎだったけれど、一度経験したことで律(りつ)的にはあの時よりは少し落ち着いていた。 「律さん、触っていい？」 「ん……ふぇ？」 　触るって……え？もうすでに触ってませんか？ 　先ほどからキスをしながら、真樹(まさき)の手は律の胸の突起や背中、腰……と、全身に触れていた。 　服の上から触れていた手が、少しずつ直接肌に触れる…… 　真樹の手の温もりが心地良くて、もっと触って欲しくて…… 　律は気持ち良さに半分蕩けていた。 　 「さわ……る？」 「うん、ココ」 「あっ！っ……！？」 　真樹の手が触れたのは、律の股間だった。 　ソコデスカーッ！？ 「ちょっと硬くなってきてる」 「だ……って……真樹さんが……」 「ん？」 　真樹さんのキスが気持ちいいから……？ 　え、わたしキスだけで反応しちゃってるの？ 　なんだかすごく恥ずかしい……どうしよう……！！ 　だって、前に抱かれた時はこんなことなかったよね……？ 「ごめんなさいっ！わたし今日ちょっと、おかしいみたいで……あの……っ」 　思わず真樹の手を払いのけて股間を両手で隠した。 「え、なにが？」 　問いかけてくるクセに真樹は律の動きを予測していたようで、全然狼狽えることなく律の手を外しにくる。 「だって……前はこんなになってなかったし……」 「あのね、硬くなるのは気持ち良くなってるってことでしょ？前はたぶん、緊張してそれどころじゃなかったってだけだと思うけど……だから俺は律さんが反応してくれてるのが嬉しいですよ？」 「でも……」 「それに……俺も……」 　真樹が律の右手を自分の股間に誘導した。 　 　あ……っ 　真樹の股間は、昨夜見た時と同じくらい屹立していた。 「ね？だから、おかしくないですよ」 　真樹がふっと笑って、律の耳元で囁いた。 「んっ……っ」 　真樹さんも……気持ちいいってこと？ 　わたしとキスして、ちょっと身体を触っただけなのに……もう興奮してくれてるってこと……なのかな……？ 「えっ！？あの、ままままさきさん！？何を……っぁん！」 　律が考え込んでいる間に、真樹の手が律のお腹の上をスッと滑って下着の中に入り直接律のモノに触れていた。 「あっ、や、待ってっ……んん゛っ！」 　真樹に触れられて思わず変な声が出てしまいそうだったので、枕に顔を埋めた。 　なななんでそんなところ触って…… 　セックスするのは後ろを使うんですよね！？ 　わたしのなんて触らなくても…… 　言いたいことはたくさんあったが、今話すと絶対変な声が出てしまうと思い、ぎゅっと枕を握りしめた。 　真樹の大きな手が律のモノを包み込んで優しく上下にスライドし始めた。 「ん゛～～～っ！！」 「声我慢しなくても大丈夫ですよ？誰もいないんだし」 　そんなこと言われても……誰もいないとか言う問題じゃなくてっ！！ 「ん～んっ！！」 「キスできないから枕は没収！」 「んあっ！？やっ、枕……んっ……」 　真樹が枕を取り上げると、顔を出した律にキスをした。 　舌を絡め取られ、真樹にしては珍しい貪るような激しいキスに頭がクラクラしてくる。 　息……できなっ……何だっけ！？鼻！？鼻でするんだっけ！？待って、吸うの？吐くの？どっち！？もうわかんな……っ！！ 「ぷはっ！……はぁはぁ……っけほっ……」 　律の意識が飛んでしまいそうになった瞬間、真樹がパッと口唇を離した。 　 「大丈夫ですか？」 　ちょっと心配そうに律の顔を覗き込んでくる。 「ん……らいじょう……けほっ……ぶ……っ」 「ごめん、もうちょっと短めにしますね」 「やっ、だ！……もっとキス……して？」 「んん゛っ！？……はぁ～……これだから律さんは質悪いんだよ……」 「……え？」 「なんでもないですよ」 　真樹がふっと苦笑して、律の頬を撫でた。 　真樹さんの手、気持ちいい……真樹さんに触れられると、身体が熱くなる……恥ずかしいけどもっと触って欲しい…… 　真樹に弄られて、律のモノがもうすっかり硬くなっていた。 「はっ、んん……まさ、きさんっ……」 「ね、俺のと一緒に触っていい？」 「……えっ？っひゃん！あ……っ待っ！」 　律の喉元を舐めながら、真樹が律のモノに自分のモノを擦り付けた。 　 　え、真樹さんの……！？ 　熱い……硬い……脈打ってるのがわかる…… 　真樹が二人のモノを擦り合わせながら一緒にしごき始めた。 　真樹の手が動く度に、今にもはち切れそうな二人のモノが、粘膜の擦れるいやらしい音をたてる。 　自分の喘ぎ声と、そのいやらしい音が混ざって余計に卑猥に聞こえてきた。 　真樹さんの……大きい…… 　コレがわたしの中に……挿入(はい)って…… 　今日は真樹は律の後ろをまだ一度も触ってきていない。 　それなのに、前回挿(い)れられた時のことを思い出して、後ろがキュンとなった。 　真樹さん……今日は挿れてくれないの……かな……？ 「や、ダメっ！まさきさ……んっ！」 「ん？イきそう？」 「っん……出ちゃうっ……手、離してっ！」 「いいよ、出して」 　いいよって、だから手を離してくれないと……真樹さんにかかっちゃうっ！ 「律、出して」 「はぁッ、んん゛～っ！！」 　耳朶を食みながら真樹に囁かれて、促されるまま果ててしまった―― ＊＊＊